あらゆる要素がデジタル化される今日において、デジタル技術を用いて組織やビジネスに変革を起こす「DX」はますます重要視されるようになりました。
自動車業界においても、モビリティの電動化や自動運転など社会に求められるニーズに迅速に対応するため、DXに取り組むことは必須です。アイシングループでは多様な社会課題の解決に貢献するため、デジタル技術を活用した設計開発の加速、業務の効率化、製造現場の品質・生産性向上、新規事業の創出などさまざまな改革に取り組んでいます。

アイシングループのDX

執行役員
Chief Software & Digital Officer、
DX戦略センター長
鈴木 研司

DXで感動と笑顔あふれる社会を

アイシングループは「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」という経営理念の実現に向けて、DXを積極的に推進しています。

Cyber/Physical Information Factoryコンセプトのもとデジタルプラットフォームを活用して社内の業務プロセスを革新し、生産性の飛躍的な向上をめざします。また、ソリューション型の新たな製品・サービスを創出し事業化することで、成長領域へのシフトを加速させていきます。
これらの活動を通じて、さまざまな社会課題の解決に大きく貢献したいと考えています。

DXの推進は全社横断組織となる「DX戦略センター」を中心に各部門が連携する体制を整えており、幅広い分野での新たな価値創出を加速させています。
企業活動の全領域でDXを展開するためには、従業員一人ひとりがみずからDXを推進する「全員参加のDX」の実現が重要です。そのために全従業員を対象としたデジタル教育にも力を入れ、座学だけでなく実戦形式の教育も充実させています。

DXを通してアイシングループがめざすのは、感動と笑顔にあふれる社会です。その実現に向けて、グループ従業員12万人がOne Teamで取り組んでまいります。

※ 「生産現場から収集したデータをサイバー空間に蓄積・再現。そのデータにシミュレーションや分析を加えた結果を生産現場に反映する」という考え方。 詳しくは「DX推進の取り組み」をご覧ください。

DX推進の取り組み

DX戦略と進捗状況

アイシングループは電動化への対応を加速する「プロセスの革新」と、新規事業を通じて社会課題の解決に貢献する「新規事業の創出」の2軸を中心にDXを推進しています。ソフトウェア開発や人工知能(AI)といった技術力を磨き、DXでカーボンニュートラルなどの様々な社会課題を解決していきます。

プロセスの革新による電動化への対応においては、開発期間の短縮・現場管理の革新をねらいとしています。たとえば、3Dデータを活用した試験評価技術を応用して、開発期間の短縮を図っています。
すでに、パワートレインや車体の一部製品では、前モデル比で開発期間を50%短縮する効果が出ています。

新規事業の創出による成長領域へのシフトにおいては、道路維持管理支援サービス「みちログ」や、乗り合い送迎サービス「チョイソコ」などのソリューション型の新たなサービスを創出しています。

DX推進を支える基盤

モビリティの電動化への対応においては、Cyber/Physical Information Factoryコンセプトに基づいたITプラットフォームを構築し、業務プロセスを革新しています。

Cyber/Physical Information Factoryとは、「生産現場から収集したデータなどをサイバー空間に蓄積・再現。そのデータにシミュレーションや分析を加えた結果を生産に反映する」という考え方です。生産だけでなく、設計開発、事務・管理業務、モビリティサービスなど各領域のプラットフォームを相互に接続し、効率的にサービス提供できる環境を構築しています。

DX推進体制

推進組織

アイシングループでのDXの推進は、全社横断組織となる「DX戦略センター」を中心に各部門が連携する体制を整えており、幅広い分野での新たな価値創出を加速させています。

DX戦略センターは、ITシステムを活用した業務プロセスの革新を担うDX推進部と、AI・データ活用技術の開発および展開を担うデータサイエンス部で構成されています。DX戦略センターが全社横断で、DXテーマの推進・横展開と、IT投資・情報セキュリティ等のデジタルガバナンスを担っています。実際のDX推進活動においては、テーマごとに各事業部門メンバーとともにチームを構成し、一体となって推進しています。

人材育成

アイシングループでは「全員参加のDX」を掲げ、経験や職位に関わらず全従業員がデジタル活用技術を身につけ、自律的に業務変革を進められるよう教育体系を整えています。

デジタルにあまり馴染みのない人に向けて、DXを基礎から学べる「ビギナーズパッケージ」を整備するのに加えて、デジタル教育用生産ラインをつくるなど実践教育も充実。知識やスキルを実際の業務で使いながら身に付けることを重視しています。
また中上級者を対象に、現場とデジタル部隊が二人三脚でデータサイエンスやAIを使った業務変革を、現場とデジタル部隊が二人三脚で進める「アイサポ+(プラス)」という取り組みを進めており、工場、設計、事務部門合わせて年間50以上のテーマを推進しています。
さらに、いつでも誰でもどこでも学習できる動画教育コンテンツの拡充にも力を入れています。デジタルツールの使い方、工場現場での技術ノウハウ、省エネ・コスト削減事例 等々500以上のコンテンツがあり、日々拡充しています。

人工知能(AI)の人材獲得、育成にも力を入れており、東京、愛知、福岡の3地域に拠点を構えています。専門性を生かし、やりがいを持って働くことができる体制づくりを進めています。

ロードマップ

プロセスの改革

  • デジタル活用による業務効率化を推進し、より付加価値の高い業務へ人材をシフトしていきます。
  • Cyber/Physical Information Factoryコンセプトのもと生産情報と3D情報を一元化し、共有。バーチャル検証を設計開発や生産に活用することで、大幅なリードタイムの短縮と商品力の強化をめざします。また、生産現場では蓄積した生産情報やAI技術などを活用し、品質と生産性の向上を実現します。

新規事業の創出

  • AI技術の研修と活用を加速させ、位置情報をはじめとするアイシンの技術力を生かした「ソリューション型サービス」の展開を進めます。

これらの活動を推し進めるため、人材情報を管理・活用する基盤を構築し、グループ全体でDX人材の育成を強化しています。

活動事例

メディア・講演事例

株式会社アイシン 採用サイトAI研究・開発