社会
基本的な考え方・方針
アイシンは、経営の前提として「働く仲間一人ひとりが主役」、「人材こそがアイシンの競争力の源泉」と捉え、経営理念における提供価値の最初に「働く仲間」を位置づけています。事業戦略の実現に向けたチャレンジを通じて、主体的な成長を促し、「働きがい」と「人生の幸せ」を提供していきます。
「“移動”の価値を創造する会社」への進化を目指し、2030年中長期事業戦略のもと事業ポートフォリオ変革を推進しています。今後、事業環境が大きく変化する中でも、持続的に成長し続けるためには、多様な人材が能力を最大限発揮し、新たな価値創出に挑戦し続ける、変化に強い人・組織への変革が不可欠です。こうした考えのもと、アイシンは人的資本戦略を「経営の重要基盤」と位置づけています。2030年に向けた人・組織の目指す姿を「グループ・グローバル連結でチャレンジ推進」「どこよりも人が育ち、全員が活躍」と定めています。
推進体制
2026年4月にCHRO(最高人事責任者)を新たに設置し、事業戦略と人的資本戦略の連動を経営レベルで一層強化しています。人的資本に関する方針・戦略・計画及び進捗については、CHROのもと、年2回「人事機能会議」を開催し、副社長、CxO、全本部長が参画し、議論しています。また、重要事項については取締役会に付議・報告し、監督を受ける体制としています。
戦略
アイシンが目指す事業ポートフォリオ変革は、既存事業の稼ぐ力を強化し、成長領域へ経営資源を振り向けていく取り組みです。その遂行を支える組織能力の強化は重要な経営課題です。
アイシンの生真面目さや現場力、絶え間ないカイゼンを積み重ねる文化は、競争力の源泉としてこれまでの成長を支えてきました。こうした強みは、「稼ぐ事業」で活かし、さらなる進化をはかる一方で、急速な事業環境変化の中では、社会やお客様視点で自ら課題を設定し、組織の枠を越えて機敏かつ大胆に変化を生み出すことが求められます。こうした認識のもと、「内向き・受け身」の姿勢から脱し、自ら課題を捉えて組織横断で新たな価値を創出する組織への進化、つまり一人ひとりの成長と挑戦の創出が必要であると考えています。
人・組織の目指す姿の実現に向け、〈基盤〉〈能力〉〈行動〉の三層で重点課題を捉え、推進しています。すべての取り組みの〈基盤〉に、「風通しの良い職場風土づくり」を据え、〈能力〉として、人材を量と質の両面から確保・育成する「プロ人材の活躍・成長」「グループ総合力の強化」「最適な人材ポートフォリオの実現」に取り組み、〈行動〉として、一人ひとりが当事者意識を持って挑む「チャレンジの促進」を引き出していきます。こうした取り組みを通じて、中長期事業戦略の実現につなげるとともに、社会やお客様の期待に応え続ける組織へと進化していきます。
関連するマテリアリティ
| マテリアリティ | 目標(KGI) | 指標(KPI) | 2025年度実績 | 2030年度目標値 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 優先課題 | 実現に向けた方向性 | ||||
| 世界中の人々に 移動の自由を提供 |
挑戦する 企業文化の醸成 |
チャレンジが 促進されている状態 |
社員エンゲージメント 肯定回答率※1 |
61%※2 | -※3 |
| 多様な人材の活躍と 人生の充実 |
多様性を尊重し 共に輝き強くなる |
多様なプロが活躍 できる環境がある |
社員を活かす環境 肯定回答率※4 |
59%※2 | -※3 |
| 女性管理職※5比率 | 3.0% | 4.5% | |||
社員エンゲージメント肯定回答率:社員意識調査において「会社に対して貢献意欲やロイヤルティがあり、自発的努力をしようという気持ちになっている」と回答した従業員の割合
当年度実績における対象反映:国内68社、海外36社
社員意識調査のグローバル展開完了後、実績や地域・文化等の特性を踏まえ、2027年度にグローバル目標を設定予定
社員を活かす環境肯定回答率:社員意識調査において「自分のスキル・能力を活かす機会があり、働きやすい環境が整備されている」と回答した従業員の割合
管理職:基幹職(課長)以上、対象は国内グループ会社
主な取り組み
風通しの良い職場風土づくり<基盤:組織の基盤/環境の整備>に向けた取り組み
職場の仲間との関係性、組織を越えた協働、経営と現場の相互理解を高めることは、すべての取り組みを根底で支える重要な基盤です。「フルモデルチェンジのために一番重要なのが、まず人材、そして職場風土」という社長自らのメッセージのもと、労使対話の場である労使懇談会を階層ごとに実施し、積極的な対話の場づくりを進めています。また、事業戦略の解説を社内報で発信するなど、透明性を高めることで、風通しの良い職場風土づくりを推進しています。
社員意識調査を踏まえた全社・職場活動の推進
グループ・グローバルで社員意識調査を行い、結果に基づき自職場をより良くする活動を推進しています。職場ごとの主体的な職場改善を進めるため、職場メンバーで結果を踏まえて課題を話し合うフィードバックミーティングの実施と改善に向けたアクションプランの策定・実行を全職場で行っています。また、これらの職場活動を支援するため、管理職に対する調査結果の読み解き方研修や、管理職同士での勉強会、マネジメント事例の共有・相互研鑽の場を設けるなど、個々の職場に応じた活動の推進・支援に積極的に取り組んでいます。
これにより、主体的な職場改善の取り組みが着実に広がり、エンゲージメントスコアは前年度より5ポイント以上向上しました。また、グループ全体でのエンゲージメント向上に向けて、社員意識調査の対象を順次拡大しており、2026年度には海外含む全グループ会社への展開が完了する予定です。
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 労使協議会 労使懇談会 |
全社/本部ごとに労使トップがチャレンジする人・職場づくりを議論 (40回実施) |
| 部・工場労使懇談会 | チャレンジに向けた職場課題解決を推進 2025年度は競合に打ち勝つ競争力強化をテーマに話し合いを強化 |
| 役員と従業員の直接対話 | 社長・CxOと従業員との座談会(約85名参加) 社長による講演会(約820名参加) |
| マネジメント事例共有会 | 2023年7月以降、事例を全部長・工場長で毎月共有 |
| ATBA活動 (Aisin Team Building Activity) |
心理的安全性の構築と関係の質向上により生産性と働きがいを高める 活動として、職場メンバー全員での定例会と1on1を実施 |
「品質至上」の実践ができる職場風土づくり
品質不正は現場の困りごとから始まると考えており、「困ったら、すぐに手を挙げて相談しよう」というメッセージとともに、継続的な風土の確認と改善に向けて、ヒアリング活動を通した困りごと解決を進めています。「品質至上」と「お客様第一」を基盤に、新しいアイシンの企業風土・文化を築くことを目指し、役員と従業員の対話会を行うなど、一人ひとりの「品質至上」の意識をより高めるとともに、品質プロセスで後工程となる工場を中心に、定期的な確認を行っています。
プロ人材の活躍・成長<能力:人材の質的充足>に向けた取り組み
今後の事業環境変化の中でも持続的に価値を生み出していくためには、変化に強い人・組織への変革が不可欠です。目指す人材像を全体最適で持ち場・立場で自発的に考え行動する人を「プロ人材」と定め、プロ人材の構成要素を「変革力」「人間力」「問題解決力」「スキル」とし、成長機会を拡充しています。
「プロ人材」の定義と構成要素
プロ人材の育成施策
主体性と全体最適の視点を持つプロ人材の育成に向け、リーダー層に対し、部門をまたぐ異動や、全社横断的なテーマ付与を強化しています。これにより、組織や領域を越えた視野の獲得と、自律的な意思決定・課題提起を促進しています。また、日常のOJTを基盤としながら、「変革力」「人間力」「問題解決力」の向上に焦点を当てた育成施策を体系的に展開し、プロ人材としての成長機会を拡充しています。これらの一連の取り組みの効果を検証することを目的に、従業員一人ひとりの成長や変化の実感を把握するアンケートを実施しました。その結果、「外向きの視点」「自発的な課題提起」「変化への意欲・関心」について、6割以上の従業員が変化を実感していることを確認しています。成長や変化の実感の定着・拡大に向け、属性別の傾向分析を通じて要因を特定し、取り組みのさらなる強化につなげていきます。
| 共通基盤能力 | 主な取り組み | 内容 | 2025年度実績 |
|---|---|---|---|
| 問題解決力 | 問題解決研修 中級・上級MAST研修 |
一般従業員の問題解決的な働き方を実践する力、上司が問題解決的な視点で指導する力の双方の強化を目的に教育を拡充し、職場での実践を強化しています。 | 2,235名 |
| 変革力 | 越境体験プログラム | 社外者との社会課題解決の取り組みを通じて、社内での経験だけでは気づきにくい新たな価値観の構築を目的として実施しています。参加によって得た気づき・学びにより、より広い視野、高い視座で自身のテーマに取り組むなど、一定の効果が見られており、さらなる対象者の拡大をはかっていきます。 | 127名 |
| 人間力 | 人間力OMOIYARI コミュニケーション研修 |
職場風土へ大きな影響を与える役員・管理職層に向け、人間力・コミュニケーションを向上させ、職場における心理的安全性と働く人々の幸福感の醸成をはかっています。 | 6,944名 |
| 志研修 | 一人ひとりが自分の価値観・自分らしさに本気で向き合いながら、「会社人生を通して何を成し遂げたいのか」という自らの志を育て、さまざまな人の共感を生み出すことができる魅力あるリーダー育成の強化を進めています。2025年度までに目標としていた上級基幹職の50%への展開が完了しました。今後はさらに対象を拡大し組織の変革波及につなげていきます。 | 224名 |
グループ総合力の強化<能力:人材の質的充足>に向けた取り組み
競争力強化に向け、分社経営からグループ経営へと舵を切り、グループ会社の役割・位置づけの見直しを進めています。また、持続的な価値創出とそれを支える人材を確保し続けるために、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。
フルモデルチェンジの推進に向けた執行体制の見直し
役員自らが先頭に立ち、全社横断で重要課題を推進する体制へと見直しました。役員の役割を組織担当から課題解決推進担当へと再定義し、重点領域への対応強化と業務執行のスピード向上をはかっています。
国内グループの組織・人材配置の最適化
グループ経営を加速するため、国内においては、事業ポートフォリオ変革に向けた技術者のリスキル、役員を含めた会社・組織を越えたリソースシフトや人材交流など、組織や人材配置の最適化をはかっています。
グループ・グローバルでのリーダー人材育成
事業変革、地域軸経営など会社の変革を支える経営人材層の意図的・計画的な人材育成を強化しています。経営幹部が特定した候補人材に対し、「AG2(アイシングローバルグレーディング)」によるポストの見える化や、サクセッションプランの策定、経営人材教育「グローバルリーダーズセッション」を通じた計画的な育成と配置を推進しています。
ダイバーシティ&インクルージョンの推進
女性活躍推進
取り組みの対象を中核会社から国内グループ会社へ拡大し、2030年の女性管理職比率目標を4.5%と設定しています。
2030年までに必要となる女性の管理職昇格者数に対し、約2.5倍の育成候補者を特定し、計画的な育成を強化するとともに、昇格意欲を阻害する管理職の役割・働き方に関する暗黙の前提の払拭や職場風土改革を通じた多様な人材の活躍を促進しています。
技能職場では、育児短時間勤務制度を利用しながら作業員として活躍し続けられるよう、サイクルタイムや工程を工夫したラインの整備などを推進し、本人の働きがい向上と将来の職制候補者育成を進めています。
シニア
「誰でも・いつからでも・いつまでも」チャレンジし続けられる会社風土に向け、年齢を問わず活躍し続ける従業員が公平に評価・処遇される再雇用制度へと見直しました。本人が担う役割を明確化することで、約50%の社員が再雇用後も活躍し続けています。あわせて、早期から将来を考えられるよう、40代からキャリア研修を必須化しています。技能職場では動画解析での作業負荷の数値化による工程改善など、生涯現役で働ける環境整備を行っています。また、体力の維持・向上活動や疲労軽減アイテムの導入なども進めており、いきいきと働き続けられる自信につながっています。
障がい者の雇用・活躍
障がいをハンデではなく、個性として捉え、一人ひとりが持ち味を最大限発揮できる職場づくりをグループ全体で進めています。アイシンウェルスマイル(特例子会社)では、従来の清掃業務や資料の電子化業務に加え、グループの事業や生産に寄与する「技術開発」「ものづくり」「事務」の3つのサポート業務を展開しています。従業員からは「やりがいがある」「もっとやってみたい」といった前向きな声も寄せられており、活躍の場の拡大と業務領域の高度化を進めています。また、障がい者がより働きやすい職場環境の整備に向け、グループ各社の人事や職場管理者を対象とした研修を実施し、障がい特性への理解促進や職場での受け入れ力向上にも取り組んでいます。
LGBTQ+(性の多様性)
多様な性を尊重し、誰もが差別や偏見の不安なく働くことができる安全・安心な職場づくりに向け、管理監督者を対象とした教育や対応ガイドライン、社内相談窓口の周知、「誰でもトイレ」設置などの環境整備を進めています。
キャリア採用
知識や経験のダイバーシティを促進し、次世代・新領域に向けた事業変革を実現するため、キャリア採用を強化しています。「どんな人が、どんな環境で働いているのか」社員の魅力を積極的に発信することで認知度向上をはかりながら、スカウトサービスやリファラル採用などを活用し、採用力を強化しています。
多様な人材・働き方を支える各種制度・施策
| カテゴリ | 施策 | 内容 |
|---|---|---|
| 柔軟な 働き方 |
コアタイムのないフレックス勤務制度 | コアタイムを設定せず1日の最低労働時間を1時間とし、業務繁閑に柔軟に対応できる制度 |
| 3ヵ月フレックス | 1ヵ月を超える業務繁閑に対して、3ヵ月内で労働時間を柔軟に調整することで効率的な業務遂行を促す制度 | |
| 裁量労働制度 | 時間配分や手段に裁量を持ち、時間に囚われることなく仕事に打ち込める環境を整備することで、チャレンジを促し成果創出につなげる制度 | |
| テレワーク制度 | 1日の一部あるいは終日、自宅などの社外で業務することができる制度 2024年度より、育児・介護等の特定の事由において、テレワークを前提とした働き方が可能な長期テレワーク制度に拡大 |
|
| サテライトオフィス | 会社外の施設を利用可能とし、場所を変えて業務を行うことによりイノベーション創出や生産性向上につなげることをねらいとした取り組み | |
| 副業制度 | 本業以外の仕事をすることにより、仕事の質の向上と、仕事への活力向上につなげる制度(2022年1月導入以来、累計約450名) | |
| 服装のカジュアル化 | 自由で活気ある風土を醸成し、新しい発想や柔軟な取り組みを促すきっかけとする制度 | |
| 休暇促進 | 有休取得促進活動 | 法定の年休5日取得に加え、最低でも年間14日の有給休暇を取得することを目標とする「ミニマム14」、消滅年休をなくすことを目標とする「年休カットゼロ」により計画的な休暇取得を促進 |
| あんしん休暇 | 失効する年次有給休暇を最大20日まで積み立て、私傷病、家族の看護・介護、配偶者の出産、育児のために使用できる制度 | |
| 両立支援 (育児) |
育児休業 | 子が2歳を超えない範囲を上限に本人が申請した期間休職できる制度 |
| 育児短時間勤務制度 | 小学6年生までの子を持つ従業員を対象に、子の年齢に応じて労働時間を短縮できる制度 | |
| 子の看護等休暇 | 小学校3年生以下の子の看病のため、子一人につき年間5日、二人以上の場合10日の休暇を取得できる制度 | |
| 特別休暇(妻出産・育児) | 2歳未満の子を持つ従業員が配偶者の出産や育児のため、子一人につき5日の休暇を取得できる制度 | |
| 社内託児所 | 勤務地に応じて2ヵ所に託児所を設置。トヨタグループ託児所も利用可 | |
| ママ・パパ・イクボスガイド | 仕事と育児の両立を支援する冊子を発行 | |
| 産休・出産前~復職後面談導入 | 法対応の他、産休・育休取得者の円滑な職場復帰及びキャリア構築支援をねらいとして、復職後面談も実施 | |
| 両立支援 (育児以外) |
介護休業 | 対象家族一人につき合計が3年を超えない範囲で会社が認めた期間休職できる制度 |
| 介護短時間勤務制度 | 要介護状態の家族を持つ従業員が、労働時間を短縮できる制度 | |
| 介護休暇 | 家族介護のため、要介護者一人につき年間10日、二人以上の場合20日の休暇を取得できる制度 | |
| 仕事と介護の両立支援ガイドブック | 仕事と介護との両立を支援する冊子を発行 | |
| 不妊治療のための休業・短時間勤務制度 (ファミリープランサポート制度) |
不妊治療のため、通算12ヵ月間、休業もしくは労働時間の短縮(短時間勤務)ができる制度 | |
| コミュニケーションサイトの導入 | 休職中にも会社情報が得られるように、全従業員とその家族が社外からアクセス可能なコミュニケーションサイトの導入 | |
| 家族手当 | 子どもと要介護者・要支援者・障がい者を扶養する従業員を対象に支給する手当 | |
| キャリア開発・ 継続支援 |
帯同休職制度 | 配偶者の転勤などに帯同するため、就業できない場合の休職制度 |
| キャリア・カムバック制度 | 育児・介護などの、やむを得ない事由での退職者の再入社制度 | |
| 意識啓発講演会・交流会 | 定期的に各種テーマに沿った、本人と上司への意識啓発を目的とした講演会・交流会 | |
| キャリアメンター制度 | キャリアと家庭との両立についての悩みを先輩従業員に相談できる制度(2025年度61名の女性管理職が登録) | |
| キャリア申告制度 | 従業員自ら中長期的な視点でキャリア&ライフのプランを作成し、上司との面談を通じて、キャリア形成を促す仕組み | |
| キャリア相談窓口 | 外部のキャリア専門家の意見を取り入れ、自律的なキャリア形成を促す施策(2025年度360枠) | |
| 年代別キャリアデザイン研修 | 年代別に、経験や立場、価値観などによって生じるキャリアの悩みごとを解消し、自身の強み、価値観を内省しながら、従業員が主体的に自身のキャリアを描き成長し続けられるよう支援する研修 | |
| 新任基幹職向けキャリアデザイン研修 | 一人ひとりが能力・経験を活かし・磨きながら自主自律的に成長し続けられるよう、自身の行動変容及び職場への行動変容波及を支援する研修 | |
| ライフデザインセミナー | 30代、50代を対象に、将来のライフイベントを見据えた資産形成や健康に関する知識・制度理解の向上を支援 | |
| 職種変更制度 | 入社時の職種の変更を認め、多様なキャリアの選択を可能とする制度 | |
| 健康支援 | フェムテックプログラム | 女性の健康課題(月経、妊活、更年期)をテクノロジーで解決するプログラム(オンライン診察・処方など) |
最適な人材ポートフォリオの実現<能力:人材の量的充足>に向けた取り組み
中長期事業戦略で掲げる事業ポートフォリオ変革の実現に向け、人材ポートフォリオの最適化を進めています。成長領域である電動化・知能化領域では、機能別に将来の業務量と必要人材要件を定め、計画的なシフト・リスキルをグループ一体で推進しています。特に、知能化に不可欠なソフトウェア人材は、これまでの育成・確保により一定の体制整備は進んでいますが、今後はオフショアや外部活用も検討しながら、さらなる競争力強化をはかっていきます。また、新車外ビジネスの柱として成長を続けるアフターマーケット領域では、2021年以降、約300名から800名へと増員し、事業の一層の成長につなげています。技能職場では、事業ポートフォリオ変革やDX、AIによるものづくりの変革に伴い、求められる役割やスキルの質・量が大きく変化すると見込んでいます。この変化に対応するため、人材ポートフォリオの明確化を起点とした、業務シフトと計画的な育成が課題と認識しています。あわせて、管理監督者に限らず、技能スペシャリストとしての道を含む多様な成長機会を創出し、付加価値創出力の向上につなげていきます。
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 業務の高度化に向けた DX・AI人材育成 |
AI・データ活用強化のためリスキリング教育を継続実施(2025年度末までに1,400名受講) AI・データ活用教育を発展させ、生成AI活用を中心とした人材育成体系へ刷新。業務別の実践教育やAIチャットボット構築教育等を通じ、生成AIを活用して業務変革・生産性向上を実現できる人材育成を推進 |
| 知能化に向けた ソフトウェア 人材育成 |
|
| 電動化に向けた 人材育成 |
2023年度末までにシフト完了、次世代開発から量産・拡販の段階へ移行中 スキルチェンジを行った技術者に対し、車両システム目線でのシステムエンジニアへのレベルアップを目的としたエキスパート教育を実施 電動化に向け技能職場の教育体系を刷新(2025年度末までに3,070名受講) |
チャレンジの促進<行動:一人ひとりの挑戦行動>に向けた取り組み
基盤の整備・能力を育みながらも、従業員一人ひとりの主体的な挑戦行動がなければ、事業ポートフォリオ変革は起こりません。アイシンでは、「あるべき姿を描き一歩ずつ変化していく」ことを「チャレンジ」と捉え、その実践を促すため、「チャレンジする人・職場づくり」をキーワードに風土改革を進めています。
全員活躍に向けた役割明確化・主体性喚起
事業環境が急速に変化し、新たな領域やテーマが継続的に生まれる中で、一人ひとりに求められる役割は固定的なものではなく、変化に応じて柔軟に捉え直していく必要があります。こうした認識のもと、アイシンは担う役割を起点とした働き方へと転換を進めています。
この実現に向け、一人ひとりのチャレンジの方向性を会社の向かう先と合わせるため、経営層からは事業戦略や方針の発信を強化するとともに、各職場では方針展開や目標設定面談の質的向上を通じて、一人ひとりの役割や業務との結びつけを強化しました。また、組織を越えたチャレンジを加速するため、部門の枠を越えた時限組織(BR組織※)を設置するなど、挑戦できる場・環境づくりを進めています。
技能職場においては、まずは一人ひとりを大切にする環境・職場マネジメントが重要と考え、職場環境への投資強化、コミュニケーションの充実を推進してきました。その上で、人事制度を改定し、高い能力・経験を持つ人材が監督者に限らず価値を発揮できる新たな役割を設定し、高齢化が見込まれる中でも年齢を問わず全員活躍できる環境を整備しています。
こうした経営レベル、職場レベルの取り組みの積み重ねにより、「社員エンゲージメント」「社員を活かす環境」はともに前年から大きく向上し、日本製造業平均を上回る結果となりました。特に技能系職場では、両指標が前年から5ポイント以上向上し、職場を起点とした取り組みの効果が着実に表れています。
今後は、将来に向けて付加価値の高い仕事へとシフトしていく過程そのものを、一人ひとりのチャレンジの機会と捉え、その実践を通じた成長を促進し、会社の成長と個人の成長の連動をはかっていきます。
BR組織:Business Reform組織、全社課題に本部・機能横断でスピード感を持って取り組む柔軟なプロジェクト組織
チャレンジの適正評価、メリハリある処遇
挑戦と成果に正しく報いるため、評価・処遇の面から段階的に人事制度を改定しています。2023年には役員報酬制度を改定し、個人査定反映の拡充や非財務指標の反映を実施しました。従業員層では、チャレンジや失敗からの学びを評価する「加点主義」、現在の役割における成果に報いる「時価主義」、内向き志向からの脱却と、適切なタイミング・配置による人材活用を促進する「流動性・外向きの加速」を軸に、上位資格から順に見直しを行い、2025年度に再雇用制度の改定が完了しました。これらの制度改定は、従来の職能資格中心の考え方から、担う役割とその価値創出に基づく処遇へと軸足を移すものです。役割に応じて評価・報酬を決定することで、変化する事業環境の中でも、挑戦と成果が適切に報われる仕組みを構築しています。また、処遇・賃上げは重要な「人への投資」と考え、意思を持って進めています。労使協議を重ねながら、全社一丸の活動を加速し、持続的な成長と配分の好循環の実現を目指します。
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 役員報酬改定 (2023年度) |
|
| 管理職の人事制度改定 (2023年度) |
|
| 一般従業員の人事制度改定 (2025年度) |
|
| 再雇用者の人事制度改定 (2025年度) |
|
| 全従業員の評価面談徹底 |
|
チャレンジを後押しする職場マネジメントの強化
主体的な行動を増やしていくため、全管理職を対象とした個を活かすマネジメントへの変革活動を推進しています。
間接部門の職場では、グループ長が人・職場づくりにより多くの時間を割くことができるよう、グループ長マネジメント変革を行っています。
| 主な取り組み | 内容 |
|---|---|
| 個を活かすコミュニケーション研修 | 周囲の共感や協力を得るリーダーシップを学び、個を活かし育てるコミュニケーション習得を目的とし、全基幹職を対象に実施 |
| グループ長ゼミ | 外部講師を招き、各部署の代表が自らのマネジメントを内省し学習する4ヵ月間のワークショップに参加 |
| グループ長マネジメント研究会 | 手挙げ参加の基幹職を対象に、参加者同士で悩みや気づきを共有し、相互研鑽と仲間づくりを目的として開催 |
技能職場では、技能員への支援体制を強化し、個々のチャレンジを後押しするため、職制の余力創出に向けた業務変革を行っています。データ収集・活用業務を重点に手順や帳票の見直し、重複・類似業務の統廃合などの業務プロセス改革を行っています。また、IT生産管理板の導入など、ITツールの活用による現場の働き方変革を推進しています。
その他の取り組み
福利厚生
従業員の経済的側面、精神面、施設面での環境整備による能力の最大発揮を目的とし、グループ各社ごとに福利厚生の充実をはかっています。
アイシンでは、従業員一人ひとりのウェルビーイング実現のため、その時々のニーズやライフスタイルに合わせて自由に会社補助を選択・利用できるカフェテリアプラン制度を導入しています。社員食堂や寮・社宅などのインフラに加え、資産形成支援や託児所、余暇支援など多様な福利厚生制度を設けています。(利用対象者は制度ごとに異なります)
