DXで変わる生産、変わる人材 

~挑戦マインドをつくる「実践型」学習~

2022.08.05

DXで変わる生産、変わる人材 

多様化する市場ニーズへの迅速な対応と社会課題解決に貢献するために、アイシンはものづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいます。

私たちは、Cyber/Physical Information Factory(サイバーフィジカル・インフォメーション・ファクトリー)のコンセプトのもと、デジタルの力で業務そのものを変革し、ものづくりを大きく変えていこうとしています。
100年に一度と言われる自動車業界の大変革期を乗り越え、これまで以上に成長する。そのためには、従来のやりかたにとらわれない方法で「ものづくり」そのものを進化させ、今までにない新たな価値を生み出していくことが重要になります。
この変化に対応し、IoTAIなど現場で必要となるデジタルツールを使いこなし、継続的に変革を成し遂げていける人材の育成が、より一層求められています。

アイシンのDX人材育成

私たちは、ものづくり現場に限らず、全社でデジタル技術の習得やビジネスへの活用に関する教育を進めています。働く人一人ひとりがデジタル技術を正しく理解・活用し、自分の考えで新たな価値を創造できる人材になる「全員参加のDX」を基本方針とし、職種や職位によらない教育を実施しています。

DXはデジタルを活用して業務プロセスや組織、ビジネスそのものを変革することを意味します。そのため、組織や仕事の課題を深く理解した業務の担当者が主役となり「自分ごと」として変革を進めることが必要だと、私たちは考えています。
その実現のために、各種デジタル技術の考え方や知識、共通認識を持つための教育に加え、DXに積極的に挑戦していく「マインド」の醸成にも力を入れ、全社で取り組んでいます。

デジタルを「実践」して学ぶ

そのなかでも今回は、アイシンが得意とする「ものづくり」の現場における「全員参加のDX」教育について紹介します。

生産現場におけるこれまでの業務革新は、生産技術や工場のスタッフが設備や工程を担当、IT部門のスタッフがシステムを担当と、それぞれの分野のスペシャリストが自分の範囲の改善・改革を進めるやり方が主流でした。しかし、DXによる業務革新を加速させるためには、現場で改善・改革を進める当事者自身もデジタル活用の一連のプロセスを理解する必要があります。

そこで、生産に必要なデジタル知識を学ぶ教育を行うのと並行して、アイシンが力を入れているのは量産ラインと同様の環境を使った「実践型」の教育です。

現場におけるデジタル活用を学ぶ、教育用ライン

2022年には、生産現場におけるデジタル活用の基礎となるIoTを学ぶための教育用ラインを設置。限りなく本番に近い環境の中で、実践的なノウハウを学ぶ環境を整えていきます。

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デジタル教育用ライン「夢工場 TUNAGU」

教育用ラインの企画運営は、工場、生産技術、人材育成、DX推進といったさまざまな部署のスタッフで構成されるワーキンググループが推進。現場の意見を取り入れ、多角的な視点を反映した教育になるよう工夫しています。

ここではIoTの活用に必要な「データの収集、蓄積、活用」といった一連のプロセスを学び、実際に設備やシステムを触りながら、座学等で学習したことを自分の「実体験」として落とし込み、積極的に挑戦しようとするマインドを醸成することをねらいとしています。

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教育の様子

DXの推進において、「挑戦するマインドの醸成」は重要な鍵となります。単に知識を増やすだけの教育では実践的な経験や学びを得るのが難しく、それだけではDXに取り組むための「最初の一歩」を後押しするには不十分です。

教育用ラインではソフトウェアや設備に自分の手で直接触れ、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら経験を積むことができます。自分でやってみることで自信につながり、実環境でもやってみようと思う。教育用ラインを起点に、そんな「DXへの挑戦を促す風土」を醸成していきたいと考えています。

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アイシンには、今よりもっと良くしていこうという「カイゼン」の文化・風土が根付いています。そこにデジタルの知識と意識、そして「自信」を加えることで、DXを加速。品質向上、生産の効率化、コスト低減といった成果はもちろん、新たな価値の創出などさまざまな効果につなげていきます。

現在の教育用ラインは駆動ユニットの加工・組み立てラインをベースとしていますが、アイシンの取り扱う幅広い製品の教育に対応できるよう、今後教育環境と体制の整備を図っていきます。そしてすべての工場がそれぞれの考えで主体的にDXを進められる状態になることをめざし、取り組みを加速させていきます。

アイシンはこれからも、生産現場を支える人材のDX教育に力を注ぎ、変革への積極的な取り組みをサポート、推進していきます。そして革新的な「ものづくり」を通して誰もが安心・快適な未来の実現に貢献していきます。

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