ガバナンス
基本的な考え方・方針
アイシンはコンプライアンスについて、法令を遵守するだけでなく、経営理念である「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の精神で良き企業市民として皆さまの期待と信頼に応えていくことが重要だと考えています。そのために、「アイシングループサステナビリティ憲章」及び「アイシングループ行動規範」を基本方針とし、重点法分野である独占禁止法及び腐敗防止について、グループ共通の遵守方針とガイドラインを作成、展開しています。
また、自然体でコンプライアンスを実践するために「インテグリティ(誠実・正直・高潔)」を重視し、働く一人ひとりが、高い倫理観を共有し、「誰にでも誇れる判断・行動」、「逃げない・嘘をつかない・ごまかさない」の徹底した実践に努めています。
アイシンはグローバルでのグループ法務・コンプライアンス体制の整備による高いコンプライアンス意識の維持と重大法令違反の撲滅を目標としています。言いたいことをお互いに言える「風通しの良い職場風土づくり」こそがコンプライアンスの基盤であると考え、迷ったらまずは上司などへ相談できる環境づくりや、内部通報窓口の利用周知を徹底しています。さらに、個人と職場のコンプライアンス意識を測定する倫理アンケートや職場巡回を通じて職場の生の声を吸い上げ、喜びも悩みも共有することで互いを尊重し、思いやれる職場風土づくりを進めています。
アイシングループ法令遵守状況
2025年度
重大法令違反
0件
2025年度
独占禁止法違反件数
0件
2025年度
腐敗防止法違反件数
0件
推進体制
アイシンでは、コンプライアンスに関わる重要方針・体制を決める会議体として、グループ人事本部長を委員長とする「企業行動倫理委員会」を設置しています。グループ13社の社長、関係役員、監査役が出席して、コンプライアンスの活動状況及び課題を確認するとともに、次年度の活動方針を決定しています。
企業行動倫理委員会で決定した事項は、取締役会に報告され、監督を受けています。
2018年1月より、グループ全体で一定基準以上のコンプライアンスレベルを確保するため、各社の法務機能部署を集約し、グループ本社法務部を立ち上げ、グループ唯一の法務専門機能部署として、国内外のグループ会社のコンプライアンス活動を企画・推進しています。あわせて、グループ各社にコンプライアンス責任者及び推進者を設け、グローバルでコンプライアンスを推進する体制を構築しています。
企業行動倫理委員会の体制図
コンプライアンス活動のPDCA
戦略
アイシンでは、事業環境の変化や、社会からの要請、グローバル化に伴うコンプライアンスリスクの多様化を踏まえ、リスクベースで重点領域を設定、推進することでマテリアリティKGIである重大法令違反・重大コンプライアンス違反0件の維持を目指しています。
重点領域は、毎年、企業行動倫理委員会において、事業環境の変化及び社会からの要請を踏まえたコンプライアンスリスクを総合的に評価し、特定しています(2026年度:インテグリティ、ハラスメント、適正取引、独占禁止法、贈収賄・腐敗)。
関連するマテリアリティ
| マテリアリティ | 目標(KGI) | 指標(KPI) | 2025年度実績 | 2030年度目標値 |
|---|---|---|---|---|
| 盤石な経営基盤の構築 | 重大法令違反、重大コンプライアンス違反がゼロの状態 | 倫理アンケート 肯定回答率 |
72% | 80%※ |
倫理アンケート調査方法見直し(2025年度)に伴う結果の分析を踏まえ、国・地域特性及び外部ベンチマークに基づき目標値見直し
主な取り組み
重大法令違反、重大コンプライアンス違反ゼロの維持に向けた取り組み
風通しの良い職場風土づくり
アイシンでは、問題の早期発見・是正・未然防止のために、風通しの良い職場風土づくりを推進しています。経営層自ら現場に出向き、本音・生の声(困りごと・不安)を聞き取り自分ごととして認識・対応し、各職場では倫理アンケートの結果を踏まえた本音の議論を推進しています。
内部通報制度による問題の早期発見・是正
アイシンでは、コンプライアンスに関する通報・相談窓口を設け、国内外の役員、従業員、退職者、その家族、取引先、並びに地域住民などのステークホルダーから、広く相談を受け付けています。窓口では、不正行為、法令・ルール違反、ハラスメントや嫌がらせ、人権問題等、多岐にわたる相談を受け付け、対応しています。対応時はプライバシー保護、相談者への不利益防止などへの配慮を徹底しながら、不正行為などの早期発見と是正に努めています。
通報・相談窓口は、内容に応じて使い分けができるように、各社相談窓口、弁護士が対応するグループ共通の社外法律事務所の窓口、グループ本社法務部が対応する「アイシン企業行動倫理相談窓口」を設置しています。また、社外ステークホルダーからは、ウェブ入力方式の「アイシングローバルホットライン」で通報・相談を受け付けています。内部通報案件はグループ本社法務部に集約され、重要案件はグループ本社法務部が対応をリードし、問題の早期発見と是正につなげられる体制を構築しています。さらに、定期的に監査役へ報告し、運用面のモニタリングを行っています。その他にも、外部弁護士を招聘し、客観的、専門的な知見を取り入れて重要案件へ迅速に対処できるように努めています。通報・相談内容については、内容の類型や発生傾向の分析を行い、その結果を教育・啓発活動及び社内ルールの見直しに反映しています。
内部通報制度の体制
アイシングループにおける内部通報ルート
内部通報制度の利用状況
内部通報窓口受付件数
国内外通報・相談件数
その他に含まれる主な案件は、社内ルール・手続きに関する問い合わせ、職場の人間関係に関する悩みなどであり、コンプライアンスや不正行為に関する通報ではありませんが、従業員がより良いコンディションで働くことができるように心配を取り除くという観点から、関係部署と連携し、対応しています。
倫理アンケート
アイシンではコンプライアンス活動の浸透度や、潜在的なコンプライアンスリスクの有無、内部通報窓口の認知度などの把握を目的に、毎年、グループ会社を含む国内外の全従業員(嘱託社員、アイシンへの出向者、定年後再雇用、期間従業員、派遣社員などを含む)に対してコンプライアンスに関する共通の倫理アンケートを実施しており、2025年度の回答率は88.7%でした。調査結果は企業行動倫理委員会で報告する他、社内各部署および国内外グループ各社へフィードバックを行っています。また、アンケート結果から課題が顕在化した職場やグループ会社については重点的な教育・啓発や個別支援を実施しています。監査部においては、アンケート結果を踏まえた監査テーマを選定し、毎年内部監査を実施しています。
各種教育・啓発活動
アイシンでは、従業員一人ひとりが自然にコンプライアンスを実践できるよう、毎年グループ会社を含む国内外の全従業員(嘱託社員、アイシンへの出向者、定年後再雇用、期間従業員、派遣社員などを含む)を対象にさまざまな教育・啓発活動を行っています。2025年度は対象者のうち、92.9%が参加しました。
教育については、階層や役割、業務に応じた集合研修やeラーニングを国内外において実施しています。また、社内ポータルにはオンデマンド教育動画(ハラスメント、中小受託取引適正化法、独占禁止法、贈収賄・腐敗、輸出取引管理、インサイダー取引、製造物責任、偽装請負、著作権、労務、契約、クリアコミュニケーションなど)を掲載し、各自のタイミングで研修の受講や視聴をできるようにすることで、コンプライアンスをより身近に感じられるように工夫しています。
啓発活動については、毎月法務Newsやケーススタディを発行し、最新情報の提供や、失敗を含むさまざまな事例を題材にしたディスカッションシートを展開することで、自分ごとと捉える意識付けを図っています。また、インテグリティについて、役員同士で事例をもとにグループディスカッションを行う「インテグリティを考える会」、職場単位で話し合う「職場ミーティング」などを行い、一人ひとりの意識を高めています。
主な教育・啓発一覧
| 分類 | 研修名/ツール | 主な内容 | 実施頻度 | |
|---|---|---|---|---|
| 教育 | 階層別 | 役員コンプライアンス講演会 | 最新のコンプライアンステーマ | 1回/年 |
| 新任役員教育 | 役員の責任、重点テーマ | 役員 就任時 |
||
| 人間力OMOIYARIコミュニケーション研修 | 役員、管理職として必要な人間力・コミュニケーション力 | 1回/年 | ||
| 部長向けコンプライアンス研修 | コンプライアンスの重要性・役割・重点テーマ | 1回/年 | ||
| CSRマネジメント研修 (新任管理者向け研修) |
コンプライアンスの重要性・重点テーマ | 管理職 昇格時 |
||
| 雇い入れ教育 | コンプライアンス基礎・憲章・行動規範 | 入社時 | ||
| 役割別 | コンプライアンス責任者教育 | 責任者の役割、重点テーマ | 1回/年 | |
| 輸出管理責任者教育 | 法律・会社ルール | 1回/年 | ||
| 海外赴任前教育 | コンプライアンスの重要性・重点テーマ | 赴任時 | ||
| 海外トップマネジメント教育 | コンプライアンスの重要性・役割 | 就任時 | ||
| 通報窓口担当者教育 | 調査方法、留意点 | 1回/年 | ||
| テーマ別 | 独占禁止法遵守教育 | 法律・会社方針・ガイドライン | 随時 | |
| 贈収賄・腐敗行為防止教育 | 業務リスクを加味した実例 | 1回/3年 | ||
| 法律・会社方針・ガイドライン | 6回/年 | |||
| インサイダー取引防止教育 | 法律・会社ルール | 随時 | ||
| オンデマンド教育動画 | 法律・会社ルール | 常時 受講可 |
||
| 啓発 | 記事 | 経済安全保障情報 | 法規制、最新動向の展開 | 随時 |
| 法務News | 法規制・身近なコンプライアンス事例・法務部の取り組みの紹介 | 1回/隔月 | ||
| 漫画 | 職場ディスカッションシート | テーマ別解説・留意点 | 1回/月 | |
その他の取り組み
独占禁止法遵守
アイシンでは、2014年の米国独占禁止法違反の教訓を風化させることのないよう、継続的に独占禁止法遵守に取り組んでいます。2020年に「アイシングループ独占禁止法遵守方針」を策定・展開するとともに、具体的な行動規範となる 「アイシングループ独占禁止法遵守ガイドライン」を制定し、法律の遵守を徹底しています。独占禁止法遵守の重要性については、各種研修で取り上げて教育を実施することに加え、国内外のグループ会社においても地域ごとのリスクに応じた研修を行っています。
なお、競合他社との接触にあたっては、グループ本社法務部が事前チェックを行い、違法性のないことを確認するルールを運用しています。
贈収賄・腐敗防止
アイシンでは、公正かつ透明な事業活動を通して、社会秩序に寄与することを目指しています。
2025年5月に改訂した「アイシングローバル贈収賄・腐敗行為防止ポリシー」には、贈収賄、汚職行為、ファシリテーションペイメント、利益相反、政治献金・寄付、ビジネスパートナーの選定、適正な経理処理と記録などについて明確化し、国内外の全グループ会社へ周知徹底を行っています。
また、業務リスクの高い会社・部署に対し専門教育も実施しています。
さらに、グループ共通の「飲食・接待・贈答(交際費)ガイドライン」を発行するとともに社内規程において事前申請及び承認手続きを定め、贈収賄・腐敗行為を防止する仕組みを運用しています。
