インド理科大学院(Indian Institute of Science)と人工知能の汎用性に関する共同研究契約を締結

2019.11.14

事業展開

 当社とインド理科大学院(Indian Institute of Science 以下、IISc)は、人工知能(AI)分野での共同研究契約を締結しました。

 IIScは、タタ・グループの創始者であり「インド産業の父」とも呼ばれる実業家Jamshetji Nusserwanji Tata(ジャムシェトジー・ヌッセンヴァーンジー・タタ)によって1909年に創立されて以来、およそ110年の歴史をもつ科学技術の研究・教育機関です。現在、基礎から応用に至るまでの幅広い分野に計42部門があり、約500名の教授・教員、約2,750名の博士課程学生、約950名の修士課程学生が在籍しています。とくに、AI分野の研究に関してはインドでトップレベルです。

 近年、深層学習(ディープラーニング)の台頭と、その後のAI分野の急速な発展に伴い、AIの社会実装への期待が高まっています。しかしながら、現在の多くのAIは、定められたデータセット(ドメイン)と目的(タスク)に基づいて設計されるため、今まで経験したことのない環境変化など、設計時の想定を超える事態には適応できないという本質的な課題を抱えています。

 そこで、アイシンとIIScは、この課題を解決すべく人工知能の汎用性(Versatility)に取り組みます。汎用性の導入により、過去の経験で得たドメイン、タスクの知識を未来の経験に活かすという、人間と同等の適応能力を実現できる可能性があります。アイシンの豊富なドメイン知識とIIScの高度な専門性を活かし、まずは転移学習(Transfer Learning)の一種である「教師なしドメイン適応(Unsupervised Domain Adaptation)」の検討を10月より着手し、近い将来、継続学習(Continual Learning)の検討へと発展させる計画です。同時に、品質検査、予知保全、コネクティッドなど幅広い分野への研究成果の適用をめざします。

 アイシンはこれからも、世界各地で高い技術力を持つ企業や大学との連携をさらに加速させ、技術革新による持続可能な産業化の促進に貢献していきます。