ガスと電気を組み合わせたハイブリッド空調システム「スマートマルチ」を販売

2017.03.23

技術情報


ハイブリッド空調システム「スマートマルチ」

 当社は、ガスヒートポンプ(以下「GHP※1」)と電気モーターヒートポンプ(以下「EHP※2」)を組み合わせ、遠隔で最適な運転制御を行う※3ハイブリッド空調システム「スマートマルチ」を2017年10月より販売いたします。なお、「スマートマルチ」は、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、東邦ガス株式会社、ダイキン工業株式会社、当社の5社が共同で開発しています。

 昨今のエネルギー小売自由化により新たなエネルギーサービスへの関心が高まる中、いかにエネルギーコストを最適化するかという点に着目し、ガスと電気のハイブリッド空調システムを開発しました。本製品は、エネルギー需給状況や季節・時間帯によって異なるエネルギー価格などを監視しながら、遠隔制御によって最適なバランスでGHPとEHPを運転します。例えば、電力需要が大きい夏期の日中に消費電力が少ないGHPを主に運転させることで電力基本料金を抑制し、朝や夜間など電力従量料金が安価になる時間帯にはEHPを主に運転させるなど、GHPとEHPを効果的に切り替えます。それにより、事務所ビル、店舗、工場等、特に運転時間の長いユーザーにとって、エネルギーコストの低減を実現することができます。従来のEHPと比較してランニングコストが25%、CO2排出量は14%の削減が可能となりました※4

 また本製品は、業界最小サイズである当社製GHP(16馬力)とダイキン工業製EHP(8馬力)を組み合わせ、業界内で最小の設置面積、最軽量の本体質量を実現しており、小規模の事務所ビルでも使いやすい小型・軽量のハイブリッドシステムとなっています。


 アイシン精機は2017年2月に経済産業省主催「省エネ大賞」において2部門で受賞をいたしました。これからも、省エネルギーや環境負荷低減に貢献する空調システムの普及拡大に努めるとともに、ユーザーの期待に応える商品やサービスの開発、提案を行っていきます。

※1:圧縮機の駆動源にガスを使用したガスエンジン駆動式のエアコン「ガスヒートポンプ(Gas Heat Pump)」の略称。
※2:圧縮機の駆動源に電気を使用した電動機駆動式のエアコン「電気モータヒートポンプ(Electric Heat Pump)」の略称。
※3:東京ガス株式会社の「エネシンフォ」、大阪ガス株式会社の「エネフレックススマート」等の遠隔監視サーバからの遠隔制御サービスの契約が必要。各商品に設置された遠隔監視アダプタと遠隔監視サーバが遠隔で通信を行い、ユーザーの使い方や料金、電力状況に合わせてGHPとEHPを最適な比率で制御を行う。
※4:東京ガス株式会社の遠隔制御サービス「エネシンフォ」を利用した場合の試算に基づきます。


【製品仕様】

※ラインアップには塩害仕様もございます。
※商標「スマートマルチ」は東京ガス株式会社の登録商標です