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4つのスタイルに変形し、ロボット技術を応用した安全機能搭載のパーソナルモビリティ~ニーズに合わせ可変!未来の“足”は変形する賢い乗り物~ ※当社、千葉工業大学 未来ロボット技術研究センターからの共同リリースです。
2015.03.17
技術情報
アイシン精機株式会社
千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター (fuRo)
・利用シーンに応じてトランスフォーム!ロボット技術応用の知能化安全技術搭載!未来のモビリティ
・若者からアクティブシニアまであらゆる年代が様々なシーンで活用可能な変形する超小型の乗り物
当社と千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター fuRo (所長:古田貴之)はこのたび、パーソナルモビリティ「ILY-A(アイリーエー)」を企画・開発いたしました。若者からアクティブシニアまであらゆる世代の生活シーンで、移動・行動をサポートする近未来の"足"、それがILY-Aです。
ILY-Aは、3輪構成、1人乗りの電動小型モビリティ。4種類の形態に変形(トランスフォーム)させることで多種な用途に対応します。ベビーカーとほぼ同程度の超小型サイズでありながら、ロボット技術を応用した新開発の「知能化安全技術」を搭載し、突然飛び出してくる人や障害物などを動・静止物体に関わらず認識し、自動で車体の速度を減速して制動制御します。
安全かつ気軽に使え人々の行動範囲を広げることができるILY-Aは、若者からアクティブシニアまであらゆる世代の人々が快活に活動する社会を実現するために開発された近未来の乗り物です。ILY-Aの利用により行動範囲を広げるライフスタイルの提案と新たな"生活ツール"の確立を目指します。
ILY-Aは、4月14日(火)~19日(日)まで、イタリア・ミラノにて開催される世界最大のデザインエキシビション「ミラノデザインウィーク2015」への出展およびデモンストレーションを予定しています。
【主な特徴】
■4段変形:ビークル、キックボード、カート、キャリーの4つの形態に変形
・移動、スポーツ、エクササイズ、買い物、歩行補助など様々な生活シーンをこれ一台でカバー
・自転車、シニアカー、ベビーカー、ショッピングカート、キックボード、近距離用モビリティを再構築
■ロボット技術による安全支援:超小型モビリティながらロボット技術を応用した知能化安全技術搭載
・静/動物体を検知、車体スピード制御
・知能化自己診断監視機能搭載、システムに異常がないか、常にILY-Aが自身の健康をチェック
■どこでも持ち運べる携帯性:キャリーモード搭載
・キャリーモードで簡単持ち運び。鉄道や自動車等の既存交通機関と併用しさらに行動範囲を広げることが可能
■世界最大のデザインエキシビション「ミラノデザインウィーク2015」にて世界デビュー
・イタリア・ミラノにて開催される世界最大のデザインエキシビション「ミラノデザインウィーク2015」(4月14日~19日)のアイシンブースに出展し、デモンストレーションを行い、世界デビューします。
【開発コンセプト】
「いつまでも若々しく」、「今までどおり、それ以上に」、「どんなシーンでも」、「楽しく、かっこよく暮らしたい」。アイシンは、未来のライフスタイルを描き、人とモビリティとの新しい関係を築くパーソナルモビリティを提案します。
【役割分担】
【モビリティ名称】
ILY-A
(アイリーエー)
「ILY」とは、"Innovative Life for You" の頭文字をとって略したもの。「A」はActive から。
アクティブなライフスタイルをサポートするパーソナルモビリティ。
それが「ILY-A」です。
【4つの変形モード】
現在の都市での近距離移動手段に注目すると、その手段の主役は自転車あるいはシニアカー、特に若者は時にはスポーティーにキックボードやスケートボードを利用することもあります。一方、主婦らは買い物時にはショッピングカートを使い、赤ちゃん連れはベビーカー、歩行運動に支障をきたした高齢者は手押し車を利用します。このように現在、日々の生活ではそのシーンに応じて様々な乗り物/歩行支援器具が場面ごとに使い分けられています。
あらゆる世代の人々がもっと快活に活動するために、様々な活動でいつもパートナーとなり気軽に使いこなせる、生活と文化に溶け込むよう、これらすべてのモビリティを融合/再構築する時期がきているのではないでしょうか?そうです、まさに、移動、スポーツ/エクササイズ、買い物、リハビリ、すべての移動機器を融合/再構築したのが4つの形態変形機能をもつILY-Aなのです。
ビークルモード: | 移動のためのモード。目線の高さと乗り姿にこだわりました。 |
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キックボードモード: | スポーティーに、時には人力で、疲れたらモータ駆動で移動しましょう。 身体を動かし健康維持をしてもよし、スポーツとして楽しんでもよし。 |
カートモード: | 荷物を運ぶ際に利用するモード。歩行訓練/リハビリ、歩行補助として、手押し車としても機能します。 |
キャリーモード: | コンパクトに折りたたむことで、置き場所に困りません。どこでも持ち運べ行動範囲をさらに広げることができます。 |
【知能化安全機能と知能化自己診断監視機能、操縦支援機能群】
「技術が高度になるほど簡単/安心/安全を実現できる。」
生活のパートナーとなりあらゆる世代の生活シーンで安心して利用できるモビリティを目指して、ILY-Aにはロボット技術を応用した知能化安全機能、知能化自己診断監視機能、さらには、変形モードごとの様々な操縦支援機能を実装しています。
・知能化安全技術
高度なロボット技術とハンドル下のレーザセンサによるリアルタイムマップ作製技術により、周囲の状況を判断、インテリジェントなスピード制御を実現しました。障害物が多い場合には自動的に車速を低く調整し、衝突しそうになると自動ブレーキがかかります。
・知能化自己診断監視機能
モビリティの操作パッドは正常か?駆動系は大丈夫か?コンピューターシステムと分散通信システムは機能しているか?ILY-Aは常に自分自身を診断/監視しています。もし、自身に異常をきたしたら、ILY-Aは速やかに非常停止モードに入り、未然にアクシデントを防ぎます。
・操縦支援機能群
キックボードモードでは、人力による移動/モータによる移動を自動判別し車輪を制御します。カートモードでは、ジョイパッドの左右が逆になり直観的な操縦ができます。そのほか、様々な操縦支援ソフトを実装したILY-Aは、きめ細かに人々の移動・行動をサポートします。
【仕様】
機体基本仕様
全長/全幅: | 965[mm]/440[mm] |
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駆動システム: | 車輪総数3(駆動輪:2、従動輪:1、駆動輪サイズ:14") |
最大速度: | 10[km/h] |
機能特徴
4段モード可変構造(ビークル、キャリア、カート、キックボード) | |
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知能化安全機能: | 前方障害物を検知し自動停止 周辺状況に応じた自動減速機能 |
知能化自己診断監視機能: | 操縦システム配線・断線の異常監視自動検知 駆動系配線・断線自動検知 システム異常自動検出 操縦者保護のためのエマージェンシーモード発動 |
インテリジェントLEDフェイス: | プログラマブルフルカラーLEDバーシステム 障害物検知状況に応じた表示表現 モード可変状況に応じた表示 |
操縦方法: | アナログスライドパッド方式 |
障害物検知: | レーザスキャナ方式(検出範囲:周辺エリア最大5[m] ) |
モードごとの操縦システム変更 | |
モビリティ本体制御システム: | 分散管理・制御方式 |
分散管理・制御方式の制御系主構成
ホイール制御: | マイコン制御 (走行制御系,モード切替系,および各種監視機能を実装) |
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プログラマブルLED: | 独立マイコンによりカラー・点灯/点滅周期および点灯位置の任意制御が可能 |
■アイシン精機株式会社
1965年、自動車部品メーカーの愛知工業と新川工業が合併して誕生したのがアイシン精機です。以降、多様化する自動車業界において高い技術力を発揮するために分社化をすすめてきました。そして、各社が専門の事業領域に特化することで、鉄やアルミ、樹脂などの多様な素形材から、クルマの「走る」「曲がる」「止まる」といった自動車を構成する要素のほとんどをカバーする企業グループへと成長してきました。 また、自動車分野の追求はもちろん、強みである「総合力」を生かし、住生活関連分野やエネルギー関連分野でも事業を展開し、豊かな暮らしを支える多彩な商品を提供しています。
■千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo・フューロ)
日本の工科系大学の中で最も長い歴史を有する千葉工業大学が設立したロボット技術の研究拠点、それがfuRo(未来ロボット技術研究センター)です。ロボットクリエーター古田貴之博士が率いる総勢20名の研究者で構成されています。ロボットの人工知能技術を競うサッカー競技会:RoboCup2014 ブラジル世界大会では、人間型ロボット部門全4種目優勝し、完全制覇を達成。日本におけるロボット自動操縦技術を競う「つくばチャレンジ」では唯一の3年連続ミッション達成など、高度な人工知能技術、自動操縦技術を有します。一方、福島第一原発の事故では世界で唯一、原発建屋内全5階層を走破できるロボットを開発し提供、事故原発の冷温停止の政府宣言のための探査等、数々のミッションを達成してきました。機械・電気回路設計から高度な人工知能・センシングまで、ロボット技術のすべてを高レベルで研究開発および統合することを得意としています。
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