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家庭用燃料電池エネファームtype Sの新製品発売について ~現行品と同等の高い発電効率を実現しながら、大幅にコストダウン~
2014.03.13
技術情報
当社は、家庭用燃料電池エネファームtype S※1の新製品を発売します。2014年度モデルとなる新製品は4月1日から大阪ガス向けに販売を開始し、順次、他のガス会社向けに販売供給を拡大します。
「エネファームtype S」は、高い発電効率に加え、部品点数や排熱量が少ないことから、発電ユニットと排熱利用暖房ユニットのいずれも更なるコンパクト化が期待できるという特性があります。こういった特性を踏まえて「エネファームtype S」の開発を更に進め、お客さまの快適な暮らしの実現と地球環境の改善、エネルギーセキュリティの向上等に貢献してまいります。
新製品の特長は以下の通りです。
①大幅なコストダウンを実現
本体形状の見直し、生産性向上によるセルスタックのコストダウン、低コスト部品の採用などにより、価格の低減を実現しました。
②デザイン性を向上
停電発生時でも発電を継続できる※2自立運転機能を仕様追加しています。現行品では自立運転機能の電装基板を本体に外付けしたケースに収納していましたが、今回、本体内部のレイアウト見直しにより内蔵化を実現、外付けのケースを削減しました。これによりデザイン性を向上させました。
③高い環境性、経済性を実現
「エネファームtype S」は、セルスタックにセラミックスを使用し、作動温度が700~750度と高温になります。この熱を都市ガスから水素への改質を促進するエネルギーに有効利用するため、高い発電効率を実現できます。新製品は大幅なコストダウンを実現しながら発電効率46.5%※3、総合効率90%※3と、現行品と同等の高い効率を達成し、一般のご家庭に必要な電力の約80%をまかなうと共に、給湯暖房システム※4と比べ、年間のCO2排出量を約1.9トン※5削減すると共に、年間光熱費の削減に貢献できます。
④LPガス対応機をラインナップ
現行品では都市ガス対応機のみでしたが、新製品ではLPガス対応機もラインナップに追加しました。
【本製品の外観】
燃料電池 発電ユニット 排熱利用 給湯暖房ユニット
台所リモコン
浴室リモコン
【仕様】
性能 | 発電出力 | 通常運転時:50W~700W | |
定格発電効率※7 | 46.5%(LHV※3) | ||
定格総合効率※7 | 90.0%(LHV※3) | ||
貯湯タンク容量 | 90リットル | ||
貯湯温度 | 約70℃ | ||
寸法 | 燃料電池発電ユニット | W600×H935×D335(mm) | |
排熱利用給湯暖房ユニット | W750×H1,760×D440(mm) | ||
重量 | 燃料電池発電ユニット | 94kg(自立運転機能なし) | |
排熱利用給湯暖房ユニット | 94Kg | ||
設置スペース | 約1.9㎡ | ||
ガス種 | 都市ガス、LPガス |
【エネファームtype Sについて】
「エネファームtype S」はクリーンな天然ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用するとともに、その際に出る熱もお湯として有効に利用できる環境に優しいエネルギーシステムです。
【自立運転機能について】
「エネファームtype S」が発電中であれば、停電が発生した場合でも、系統電力から自立して発電を継続する※2ことができます。自立運転時の発電出力は350Wで、停電時にも専用コンセント等からテレビ・ノートパソコン等での情報収集、夜間の照明、夏場の扇風機等の利用が可能です。また、シャワー等の給湯や、冬場の床暖房等の暖房も利用できます※6。
※1 開発にあたっては、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務の結果得た成果を一部活用しています
※2 停電が起こった際にエネファームが発電していない場合や、ガス供給が停止している場合は自立運転を行いません
※3 低位発熱量基準(Lower Heating Value):燃料ガスを完全燃焼させたときに生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めない熱量
※4 給湯暖房システム:ガス給湯暖房機、ガス温水床暖房(リビング・ダイニング)、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコンを使用
※5 給湯暖房システムの「ガス給湯暖房機」を「エネファームtype S」新製品に変えた場合の当社試算値(戸建4人家族で想定、実証データに基づいて試算)
※6 断水時は給湯・暖房はできません
※7 LPガスの場合は定格発電効率45.7%、総合効率88.4%(低位発熱量基準)になります