サステナビリティ
社会

安全衛生

アイシングループの「安全と健康はすべてに優先する」という基本理念のもと、アイシン・ソフトウェアでは「安全衛生ビジョン」を掲げています。この安全衛生ビジョンを全社員が共有し、災害ゼロの達成と社員全員の健康維持を推進しています。

安全衛生ビジョン

私たちは、車両制御技術・情報技術により、安全な自動車社会に貢献するトップリーダーとして、社員一人ひとりが健康であり安全を最優先し、働く人々の喜び、家族の安心を実現し、顧客・社会から信頼される会社であり続けます。

■全ての災害は防ぐことができるという強い信念
■管理者の率先垂範によるリーダーシップ
■全員参加の明るいコミュニケーションによる、自分と仲間の身を守る安全衛生行動

安全衛生のマネジメント体制

このビジョン実現のためにアイシン・ソフトウェアでは、取締役社長直轄組織としての安全健康推進室が活動の推進を担い、取締役社長および担当取締役との直結の安全健康推進の専門組織を設置し、安全衛生と健康維持活動、防火・交通安全活動の目標を安全衛生委員会において設定し、活動の進捗確認を実施しています。
また、各地区・各部門に設定されている地区安全衛生担当者・部門安全衛生担当員・統括安全衛生管理者により、危険箇所の把握の為の安全衛生パトロールを毎月実施し、安全衛生意識の向上活動と管理者視点による安全衛生管理を行い、常に状況把握と改善活動を行っています。
このような活動により、休業を要する労働災害は会社設立以来0件で推移しています。

従業員の健康

アイシン・ソフトウェア健康推進宣言

働く仲間の安全と健康が最優先であるという認識の元、当社設立時(2019年10月)から「健康経営」宣言を行い、更に2021年には「健康経営」推進宣言を行い、健康経営の推進に取り組んでいます。

「健康経営」推進宣言

アイシン・ソフトウェアは、会社の大切な財産である『従業員』の安全と心身の健康を維持・増進することを経営・マネジメントの土台と位置づけています。会社組織として従業員の安全と心身の健康を第一に考え、従業員には安全で安心・快適な職場環境の中で十分に個々の能力を発揮してもらうことが、個人やその家族の喜びや幸せ、そして会社組織全体の活性化・生産性向上につながるものと考えております。我々は、アイシングループとして「自己成長と働きがい、人生の幸せを感じられる会社」を目指して多様性・主体性の促進による「働きがい向上」と「新たな価値創造」を実現する人材マネジメントを推進するなかで、「社員の心身の健康維持・増進」「ワークバランスの推進」を目的として『健康経営の推進』に取り組むことをここに宣言します。

  • 私たちは、自らの健康へ関心を持ち、仲間とともに、健康維持、増進に努めます。
  • 私たちは、健康で、個々の強みを発揮できる会社風土を醸成し、笑顔あふれる未来を創ります。

2021年7月1日
取締役社長 植中裕史

健康経営の推進体制

取締役社長および担当取締役との直結の安全健康推進の専門組織を設置し、健康増進施策の検討・実施を行っています。施策検討の際には、より効果的な施策を講じるため専門職である産業医の意見を確認しています。社員が自己成長と働きがい、人生の幸せを感じられる職場環境を提供するべく、プロジェクト体制を整えて取り組んでいますが、健康経営の推進が目的の一つの柱となっています。
社内の他部門との連携に加え、健康保険組合やグループ企業とも連携し、健康経営の推進活動を実施しています。
また、毎月開催される地区安全衛生委員会(札幌地区、盛岡地区、本社地区、刈谷地区、安城地区、岡崎地区、福岡地区)では、地区毎の情報共有・意見交換を行い、中央安全衛生委員会では全社の施策の検討、活動の進捗状況の把握や評価を行っています。
加えて、社員会との情報共有を行い、従業員の要望を取り入れた健康への取り組みを実施しています。

健康経営戦略

「従業員一人ひとりの自己成長と働きがい、幸福感、ヘルスリテラシ―を高めることが生産性向上につながる」という考えのもと、働きがい改革、ダイバーシティの推進、個々人の課題の見える化(健康チェック、健康検証チェック)等さまざまな健康投資を行い、定期的な効果検証の実施を通して施策の評価・改善のサイクルを回し健康経営を戦略的に運営しています。

経営課題に対する効果推移

項目 目標 2022年 2021年 2020年
⽣産性
(パフォーマンス指標)
87.0% 84.2% 84.0% 84.0%

※生産性(パフォーマンス指標)は、健康状態でのパフォーマンスを100%とした場合に1か月を振り返って自己評価してもらい、その数値の全社平均を指標としています。

健康施策と期待する効果との相関分析・検証

ヘルスリテラシーを高める活動、生活習慣の改善する活動を全社で継続的に行っています。2021年から2022年にかけてレベル上位層での変化はほぼありませんでしたが、最低レベルの割合が4%減少しました。健康に関する8つの指標向上を目指す部門ごとの健康活動や全社で取り組んでいる『働きがい向上』に向けた様々な施策により、運動習慣を持つ社員の割合が5%増加、高ストレスの判定率は0.8%向上、心理的安全性の6指標は平均2.7%向上し、生産性(パフォーマンス指標)は、0.2%向上しました。

健康課題の見える化と目標値・実績値

「アイシン・ソフトウェアビジョン2030」のKPIとして「健康経営優良法人」の認定継続を掲げました。
健康課題の重点指標項目を下記のように定めています。検証を通して重点指標項目の見直しを随時行っています。

目標 実績
分類 項⽬ 2025年 2022年 2021年 2020年
健康経営
重点課題
BMI25以上割合 23.0% 28.3% 26.9% 35.0%
喫煙率 10.0% 14.0% 14.5% 15.5%
メンタル教育受講率 100.0% 100.0% 95.0% 93.0%

従業員のための健康維持増進活動

身体の健康への取り組み

◆健康診断

定期健康診断は、個々人の健康維持・増進に欠かせない基本であるため、業務状況や勤務先の状況で受診ができないことが無いように実施しており、22年度の受診率は100%を継続しています。健康診断結果によってリスクの高い人には、産業医面談で就業制限の必要性の確認を実施しています。また、特定保健指導の実施徹底や二次検診受診の確認を行うことで早期発見、未然防止に努めており、二次検診の受診率3年連続増加(20年度比38%向上)、特定保健指導受診率は、3年連続90%を超える高い水準を保っております。

◆生活習慣改善活動

定期的に生活習慣に関するアンケート(健康チェック)を実施し、社員一人ひとりが自身の生活習慣を見直す機会提供を行っています。また、健康イベントとして社員会主催の「ウォーキングチャレンジ」やアイシングループ主催の「アイシン駅伝」などを実施しています。(健康イベントに関わる投資額 一人当たり 10,600円)ウォーキングチャレンジは、社長はじめ役員も全員参加し、また参加賞や順位によって景品などが用意され多くの社員が楽しんで積極的に参加しています。
このような取り組みを行ってきていますが、22年度の結果 運動習慣を持つ方は、20年度比7.8%増え、間食をしなくなった方は、22.1%増、睡眠については、4.6%の方が改善したと答えています。BMI25%以上の方の比率については6.7%の改善(20年度比)が見られました。

◆女性・シニアに向けた健康への取り組み

女性特有の健康課題について、女性従業員を対象にした研修を実施し、対象者全員参加(100%実施率)を達成しております。また、管理監督者を対象に、同様のテーマの研修を実施しました。
シニア層に向けた健康教育も新たに実施しており、女性・シニアのいきいきとした活躍を促進するための施策を行っています。

心の健康への取り組み

◆ストレス状態の把握と対応

ストレスの状態を定期的に把握し、必要に応じた対応をタイムリーに行うことが大切であることからストレスチェックの受検率向上活動(22年度95.9%)とともに年1度のストレスチェックに加え、健康検証チェックという独自の活動を行っています。健康検証チェックは、ストレスチェックの半年後に実施し、チェック項目は、「ストレス反応」、「生活習慣」、「自己パフォーマンス」、「職場の心理的安全性」と幅広くカバーしています。ストレス反応で高ストレスと判定された方への面談や職場の状況に応じた対応を行うことで、メンタルヘルス不調の早期発見、未然防止につなげています。
「働きがい」と「ストレス反応」に相関があることが、ストレスチェックや健康検証チェックの検証で分かってきています。全社で取り組んでいる「働きがい改革」、各職場で取り組んでいる職場環境改善の効果の一指標としている「ストレス反応」が強く出ている人の率(20年度比4.3%改善)や健康経営で最終的に改善したい「新規メンタル不調休業者率」(20年度比0.48%改善)にそれぞれ改善傾向がみられていますので、今後も活動継続するとともに検証の精度を高め、より良い活動につなげていくよう取り組んでいます。

◆セルフケア、ラインケア教育の強化

Eラーニングによる全社員向けのセルフケア研修や管理者向けのラインケア研修を定期的に行い知識向上を図り、社員同士、職場の環境づくりの土台としています。

◆復職支援

当社では、復職時に「リワーク」を推奨しています。リワークを通して認知・行動療法、ストレス対処法、振り返りと再発防止法の検討などを行っていただき、再発率低減につなげる支援を行っています。

◆病気の治療と就労の両立支援

メンタルヘルス不調だけではなく、体の不調により治療を受けている方へも、主治医・産業医と連携し、就業制限などの配慮を実施し、多様な働き方の実現に向けた取り組みを行っています。

◆相談窓口の設置

社内にカウンセリングの資格を持つ相談員を設置し、安心して相談できる体制を整えています。利用者によるアンケートでは、回答者全員の方が「受けて良かった」と回答しています。
また、女性特有の健康課題に対する相談も受けられるよう、女性専用の相談窓口も設置しています。

感染症対策に対する取り組み

新型コロナウイルス感染症をはじめ、インフルエンザ等さまざまな感染症から従業員を守るための対策を実施しています。新型コロナウイルス感染症については5類への移行後も段階的な対策の緩和を行っています。また、インフルエンザ予防接種を受けやすくする為、集団接種の実施をしたり、カフェテリアプランを利用した、社員とその家族のワクチン接種の費用補助を行っています。

在宅勤務者への取り組み

在宅勤務利用者が増加している背景より、在宅での就業環境の整え方を掲載した『在宅勤務管理手引き』を従業員に展開しています。在宅勤務中でもコミュニケーションの量や質を保つことができるよう定例会議などでの雑談・体調確認の推奨や、作業環境を整えるためのチェックの実施、生活習慣を整えるための情報提供などを行っています。

社外からの評価

当社設立時から従業員の心身の健康維持・増進を経営・マネジメントの土台と位置付けて、健康経営を推進してきました。生活習慣の改善、メンタルヘルス不調の予防・早期発見・早期対応する体制、施策を実施し、その効果検証を行い更なる改善につなげる取り組みなどが評価され、「健康経営優良法人」の認定を継続的に受けています。
また、健康経営の取り組みの一環で、お取引先企業へ定期的にヒアリングを行い、健康経営に関する取り組み状況の共有や、協力体制の強化などを行っています。