吉田社長
未来に向かって、一致団結。
元気に挑戦するアイシンに
フルモデルチェンジ
「カーボンニュートラル」、「電動化」、「ソフトウェアファースト、DX」で成長し続けられる企業に
カーボンニュートラル:「減らす」「使う」「創る・集める」の3本柱で達成へ
製造業であるアイシンは、鋳鉄や鋳造といったCO2排出の多い事業を持っていますが、2050年カーボンニュートラルは必須です。その過程となる2030年のCO2削減目標は50%以上と設定しています。
この目標を達成するために、「減らす(省エネルギー技術)」「使う(再生可能エネルギー活用)」「創る・集める(CO2削減貢献技術)」を軸にカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを進めています。
具体的な取り組みとして、工場から排出したCO2を固定化して再利用する技術や面積比5分の1ほどの軽量な太陽電池の全工場導入、水素を燃焼させた熱から電力を作るシステムなどがすでに実現可能なレベルで挙がっています。また、カーボンニュートラルをより加速させるために、副社長の水島をリーダーとする「CN推進センター」をこの8月に新設し、関係部門を全て集約することで推進力を高めていきます。
電動化:商品をフルラインアップで揃え、様々な地域の事情やお客様のニーズに対応
電動化はアイシンのカーボンニュートラルの取り組みにおいて最重要テーマだと考えています。
自動車業界におけるカーボンニュートラルについては、エネルギー政策・事情が地域や時代によって異なります。また、カーメーカーやお客様それぞれの趣向・ニーズも様々です。
アイシンの電動化における強みは、部品メーカーとして唯一、「HEV」「PHEV」「BEV」「FCEV」といったエコカーに関する商品をフルラインアップで揃え、様々な地域に適したユニットを提供できること。これまでも1961年から磨き続けたATの技術を使って、ハイブリットトランスミッション、eAxleなど多くの電動化商品を世に送り出してきました。今回の統合をさらなる推進力として、グループ内の技術の融合を図るために、8月にパワートレインカンパニーの先行開発機能を増強し、トランスミッションだけでなく、車両全体から見たCO2削減につながるシステム開発を進めていきます。また、グループ内に無い技術は、社外との協業により実現していき、システムとしてCO2削減に貢献できる技術を提供していけるように進め、電動化を通じてカーボンニュートラルを実現し、お客様、社会、地球に貢献していきます。
ソフトウェアファースト、DX:各領域を横断的に繋ぎ、ユーザー目線で新しい価値を提供
クルマにおけるソフトウェアファーストとは、「実現したい新たな価値に対してソフトウェアの構造を整理し、ソフトウェアの進化やスピードを重視して、ハードとソフトを分離、ソフトウェアを先行して開発する」ことです。
アイシンはパワートレインユニットやパワースライドドア、サスペンション、ブレーキなど、メカ(ハード)とそれを動かすソフトで構成された商品を多数もっています。私たちアイシンの役割は、これらとともに今後Over The Air(無線経由でプログラムを送受信)でアップデートされるクルマの性能向上に追従できる商品を供給することです。
さらに、アイシンのもつパワートレイン、走行安全、車体の各領域を横断的に繋いで統合制御することで、ユーザー目線で新しい価値を提供していきます。
また、ソフトウェアファーストを進める上で、開発スピードを格段に加速させる必要があります。ここで必須となるのが設計開発におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)です。DXによって、設計開発の加速のほか、業務の効率化・標準化、IOT活用による製造現場の品質・生産性向上につなげるなど、全社一丸となって仕事のやり方を変えていきます。
「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」
経営理念にある「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の中で、”移動”には、人の流れや物流、シェアリングなど、色々な意味があります。私はそれら全ての”移動”を感動のレベルにもっていくと共に、お客様だけでなく、仕入先や従業員など全ての人を笑顔にしたいと考えています。
その実現のために、一致団結して元気に挑戦するアイシンにフルモデルチェンジしていきたいと思います。