鈴木 研司

鈴木 研司

カーナビの技術を携えて
挑むのは、直面する社会課題

SECTION.3

より人に近づいたサービスを

interview1

リズムプラットフォームが
情緒的、文化的に心を満たす

リズムプラットフォーム 開発

開発メンバー:神谷さん

開発メンバー:神谷さん

カーナビの機能を発展させ、移動の価値を変える取り組み。それが音声・動画コンテンツで目的地や個人に嬉しい情報を伝える『リズムプラットフォーム』だ。「移動の新しい価値とは、早いとか効率的ということではなく、情緒的、文化的に心が満たされること」と考えたのが開発のきっかけとなった。人の心といった数値化できないものをデータ化すべく、ドライブ中の感情変化を読み解こうと何人ものプライベートなドライブに乗車。さらには、ショッピングモールなどの商業施設協力のもとで行った実証実験からも多くのサンプルを得て、車内での会話や行動に多くの規則(リズム)があることを明らかにした。これをヒントに、目的地に近づいたタイミングで、その先での購買や観光促進につながるようなコンテンツを配信。内容やタイミングを吟味し、心を刺激しようとこだわる。

しかし、移動はあくまで一連の行程のプロローグであり、移動の価値は目的地での体験と共にあることを忘れてはならない。商業施設だけでなく、各地の観光協会や都市開発スタートアップ企業などと連携し、地方活性化という社会課題の解決にも取り組む。移動中のすべての人に「その先で待っているたくさんの魅力」を伝え、情緒豊かな一日を増やしていく。

interview2

カーナビ技術を応用した
道路維持管理支援システム

道路維持管理支援

開発メンバー:宮島さん

開発メンバー:宮島さん

道路の異常を検知し、情報提供や補修に向けた支援を行う『道路維持管理支援システム』。「現場で困難に直面する人を後方支援するサービスでありたい」と宮島。開発にあたり道路管理業者と意見交換。質問して浮かび上がる表面的な困りごとだけでなく、日々のルーティン業務にも注目し、第三者目線での気づきから解決策を提案することも心掛けた。

サービスには、振動を検知するセンサーや路面を撮影するカメラの他、車内フロアにカーナビの通信装置を応用したコネクティッドモジュールを設置。現在地と車両情報を把握し、情報をセンターにアップロードして路面状態の分析とデータを一元管理する。これにより、異常箇所の位置と映像をタブレット端末などで確認し、実際に現場を見に行かなくても修繕の必要性を判断できるようになった。このシステムは、道路管理車両だけでなく、市の公用車や乗り合い送迎サービス『チョイソコ』の車両にも設置する自治体(愛知県岡崎市、豊明市など)が徐々に増加。「これからもっとソリューションを拡大し、社会課題の解決につなげていきたい」と意気込む。

interview3

地域を巻き込んだ実証実験で
子育て支援サービスに挑戦!

子育て支援

開発メンバー:大類さん

開発メンバー:大類さん

核家族化が進み子育てを家族でやりきれない、子育てしながらのキャリアアップが難しいといった多くの子育て世代が抱える課題に対し、モビリティの枠を超えてチャレンジする。そうした支援には何が必要か、自身も三児の母親である大類を中心に検討を開始。当初は、これまで培ってきたアイシンのカーナビゲーション技術を使って、小学校や習い事先へ送迎するなどの移動の支援を考えたが、課題はより複合的だと再考。送迎の課題解決だけにとどまらず、理想的な子育ての在り方を追求した。行きついた答えが、「働く・託児・学ぶ」を地域コミュニティの中で一体となって実現できる場の提供だった。自治体を巻き込み、岡崎市内に開所した託児所「みんなのおうち連尺」と連携。早期に実証実験を開始した。

今は大類を含めたアイシン社員が実証実験に参加しているが、ゆくゆくは他社社員の利用も視野に入れている。「地域で実証実験をして、人の反応をダイレクトに見ることができる。もっと人に近づいた、人が嬉しいサービスを作っていきたい」。住民が互いに顔の見える関係となり、地域の防災・防犯力を高めることも狙いだ。

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