進化し続ける「eAxle」、アイシンが挑む「高効率」「小型化」

〜2030年に向けた「eAxle」、アイシン最新の取り組み〜

2022.03.31

進化し続ける「eAxle」、アイシンが挑む「高効率」「小型化」

カーボンニュートラルの実現に向けて世界が大きく動く今、自動車業界で注目されているものの一つが、「eAxle(イーアクスル)」です。従来のガソリンを燃料とするクルマのエンジンの役割を担い、電気自動車(BEV)や燃料電池車(FCEV)の心臓部と言える製品です。

アイシンはこのeAxleの開発にいち早く取り組み、2019年にはデンソーと共同でeAxleの開発・適合・販売に特化した新会社BluE Nexus(ブルーイーネクサス)を立ち上げました。そして2020年には量産化をスタート。しかし、需要のさらなる拡大が見込まれるこの事業には多くのサプライヤーが参入し、競争は激化しています。

アイシンは独自の強みをどう活かし、進んでいくのでしょう。そしてカーボンニュートラルの実現にどうつなげていくのか、最新の取り組みを紹介します。

開発は「3世代構想」、幅広い知見を新たな技術へ

カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、アイシンが製品面で加速させているのが、これまでに携わってきた領域の強みを活かした「クルマの電動化」。世界中に広がるお客様のニーズにスピーディーに対応するために、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、BEVFCEVの各種車両に向けた製品のフルラインアップで挑みます。

その中でも、今後の重点的な戦略製品と捉えているのが、BEVFCEVに搭載されるeAxleです。アイシンは、「高効率」「小型化」をテーマに「3世代構想」で開発を進めています。

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まずは、2022年に「第1世代」として、ギアやモーターと制御用電子回路のインバーターを一体化させた初めての「機電一体eAxle」を量産開始します。

これにはHEV用トランスミッションの開発で培ったモーター技術などを取り入れたコンパクトな製品を、フロント用とリヤ用の2機種用意しています。その後も続けて、小型車向けの製品を量産予定です。

そして、各国のBEVの需要が急増すると予想される2025年には、「第2世代」として「高効率」「小型化」を両立させたeAxleを、車の大きさに合わせて3種類(スモール、ミディアム、ラージ)投入する予定です。

この第2世代では、第1世代と比較して車両トータルで10%以上の電費(電力の消費率、ガソリン車の燃費に相当)向上をめざします。それはバッテリー搭載量を10%低減できることを意味します。言い換えると、電費向上による走行距離の延長、バッテリーサイズが小さくなることでの広い車室空間の確保など、実際にクルマに乗るユーザーにとっても、数多くのうれしさがあります。  

そして、その先の「第3世代」に向けても、開発を加速させていきます。

こうした電動化時代に挑むアイシンの最大の強みは、長年に渡り自動車業界をけん引してきた幅広い知見と技術の蓄積にあります。オートマチックトランスミッション(AT)で培ったギアやシャフト、ケーシングなどの技術を使い、また外部との連携もより強化し、これまでにないeAxleの開発をめざしています。

2030年に向け、変化に柔軟に対応できるグローバル体制を構築

カーボンニュートラルの実現に向けた生産面の取り組みでは、既存のAT生産設備を電動化製品に転用するほか、生産ラインの1/2化や無人化、共通プラットフォームで多品種対応するなどして、生産CO²排出低減につなげていきます。新たな投資だけでなく、これまでの設備も活用しながら、将来の技術やニーズ、その変化に柔軟に対応できる生産体制をグローバルで構築していきます。

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さらに電動化に向けた取り組みの源泉となる「人」の面でも、開発や生産技術に関するエンジニア1,500人を電動化部門にすでに配置転換し、今後の技術力強化を進めています。

私たちがめざすのは、電動車の普及への貢献と、それに関係する製品の生産から提供、さらには廃棄時におけるまで幅広い範囲でのカーボンニュートラルの実現です。

今まで培ってきた技術を生かした電動化製品の提供を通じて、「心」を動かすようなあらゆる“移動”体験を世界中の人々に提供し、未来地球に美しさを運び続ける。それがアイシンの使命だと考えています。