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対談インタビュー先輩の声

# 対談01

変革するモビリティ社会に貢献!
先行技術開発に突き進む。

研究の環境にはどんな印象を持っていますか。
また、新しい技術はどのように身につけているのでしょうか。

末武 一馬末武

MaaS(Mobility as a Service、交通手段を組み合わせたモビリティサービス)やCASE(自動車業界の新領域であるConnected、Autonomous、Shared & Services、Electric)などのトレンドが注目されていて、耳にする人も多いかもしれません。自動車業界は環境が激しく変化する時期にあって、解決すべき課題はいくらでもあります。アイシン・ソフトウェアではテーマは与えられるものではなく、研究のテーマやアプローチ方法のベースとなるのは各人の自由な発想。研究者にとって、とても良い環境だと思っています。

私が元々持っていた武器は数学だけなので、ディープラーニングや組み込みソフトウェア開発の知識は入社後に研修を受けたり、詳しい人に教えてもらったりしました。大学時代は個人プレーが主でしたが、自分の得意なところを極めながらチームメンバーとディスカッションすることでチームプレーの面白さが分かるようになりました。

平舘 侑樹平舘

大きなチームでプロジェクトを進めていると実感できる面白さは、学生時代と違いますよね。上司やチームの人に何でも相談しやすい雰囲気がある社風で、気軽に質問をして困り事を解消しながら業務を進めていくことができていると感じます。研究内容は学生の時に近いものもありますが、社内やトヨタグループの企業の人と共同で研究しながら莫大(ばくだい)な数の学習データが使える魅力があるんです。足りないデータがあっても「こういうデータが欲しい」と依頼すれば手に入れることができ、スピード感を持って開発を進めることができます。

私のプロジェクトでは、まずディープラーニングに関する知識、そしてディープラーニングで現在ほぼ必須となっているPythonの知識が必要でした。プログラミングは学生時代も学んでいましたが、実務に不足する部分やディープラーニングの最新の知識は、社内外の研修や勉強会を通して身につけています。

より安全な自動車、より良い社会につながる先行技術開発

これまで、業務で課題となったことはありますか?

平舘 侑樹平舘

業務の中で大変だったのは、組み込みのための別の言語での書き直しがうまくいかなかったことですね。研究の段階では基本的にPythonを使っていますが、実際に組み込みするときになるとC言語などで書き直すことが必要になります。「Pythonでは可能な処理がC言語ではできない」ことがあって苦労しましたが、プログラムが「どういう目的でどのような処理をしているのか」など細かい部分に着目することになり、システム全体の理解を深めることができたと思います。

末武 一馬末武

アイシン・ソフトウェアでは産学連携事業として大学などと共同研究をしています。勉強会からスタートしたものですが、産学連携活動を継続するためには事業化につなげ、企業として利益を出さなくてはいけない課題がありました。学生時代のような「解を出せれば満足」から一歩進んだビジネス的視点を持つ必要があり、思案したことを覚えています。

例えば「解がある」だけでは実用的ではなく、それをプログラムに書けるようなアルゴリズムを示さないと実用的なものとは言えません。私のチームでは、抽象的な理論を実装可能なところまで進め、プログラミングの高速化につながるアルゴリズムを得ました。数学的な理論保証付きであることが強みになって事業化につながり、多くのプロジェクトに採用されたのは良い経験でした。

これから、先行技術開発でどのような自動車の未来を考えていますか?

末武 一馬末武

今、私のプロジェクトで取り組んでいる課題は、自動車産業での製品開発だけでなく社会課題にも結び付くものだと思っています。ディープラーニングの高速化の研究は、エネルギー問題の解決にもつながるかもしれません。自動車のより良い未来を提供することで、社会全体の課題にも貢献していけたらいいですね。

平舘 侑樹平舘

自動車の未来というと、自動運転技術をイメージする方が多いと思います。車室内の監視も自動運転の必要な要素として私たちのプロジェクトで研究しているものです。

車室内の監視システムにより、事故や運転の操作ミスを防いだり、居眠りやわき見に対して警告を出したり、安全に自動車を停止したりが実現可能になります。私たちが技術開発することで、より安全な自動車、そして安全な社会を作っていきたいと考えています。