世界で走る、すべてのクルマに  アイシンの「アフターマーケット」で安全・安心、快適を

2023.08.10

世界で走る、すべてのクルマに  アイシンの「アフターマーケット」で安全・安心、快適を

「アフターマーケット」という言葉をご存じですか。アフターマーケットとは、「商品の販売後に発生するさまざまなサービスを提供する市場」のことです。
一般的に「自動車アフターマーケット」と呼ばれる市場は、メンテナンス部品やカーアクセサリーの販売のほか車両の整備など、クルマが世に出た後も世界中のユーザーが安全・安心、快適にクルマに乗るための商品やサービスまで多岐に渡ります。

そしていま、クルマの電動化の動きが加速し自動車業界が大きく変革する中で、アイシンは改めてアフターマーケット事業にビジネスチャンスとして着目、急速な事業拡大をめざしています。
その理由とは? その先にめざすものとは?
アイシンのアフターマーケットカンパニーのめざす姿を紹介します。

世界で走っているクルマは15億台!めざすのは「部品の総合デパート」

でも、いまなぜアイシンがアフターマーケット事業に注力するのでしょう?その一番の理由は、クルマの長寿命化です。

一般的にクルマは電動化により搭載部品点数が減ると言われており、一見するとアフターマーケットの市場は縮小傾向にあるように思われがちです。一方で技術の進化によりクルマの寿命は年々伸び、自分の愛車をメンテナンスしながら長く乗りたいというニーズは高まっています。

「現在、世界で走っているクルマの数は約15億台だと言われています。それを聞いただけでもそこに修理・保守の大きな市場があることがわかると思います。さらに今後、新興国では低所得層が中間所得層に変わると想定され、さらなるクルマの所有台数の増加が見込まれています。」

こう話すのは、アフターマーケットカンパニーで新規事業企画室を率いる藤原寿一。藤原は、自動車部品を扱う商社から転職したという経歴の持ち主。「アイシンなら、自分がお客様に部品を直接売ってきた知識を、アイシンの『強み』として世界の舞台でもっと活かせるはず」という想いとともに入社しました。

aisin_aftermarket_01.jpg

アフターマーケット 新規事業企画担当 藤原寿一

アイシンは、クルマを構成する多くの部品を開発・生産する総合自動車部品メーカーとして、技術開発力やものづくり力を培ってきました。その強みをアフターマーケットの商品づくりに活かし、これまで直接関わりのなかった一般ユーザーや海外のユーザーなどにまで「アイシンのアフターマーケット」を浸透させたいというビジョンを描いています。

そのために、まずは2023年度中にアフターマーケット専用の商品を約70品目まで拡充予定。最終的にめざすのは「部品の総合デパート」です。

またクルマに長年携わってきたノウハウを生かし、アフターマーケットで需要の高い商品のアイテムや数を分析・予測できることや、単品ではなく複合的に商品提案できるのもアイシンの強みだと藤原は話します。

17カ国・36拠点で事業展開 さらなる市場開拓も

現在、アイシンのアフターマーケット事業は、17カ国・36拠点で事業展開し、100カ国以上で販売しています。グローバルな市場を開発するためには、それぞれの国や地域の特性やニーズに合わせた商品展開が重要となります。そのため、アイシンでは単なる卸売りで終わらず、現地の整備工場などにも足を運んで市場調査し、最適な商品の開発に努めています。

またアフターマーケットの市場では、品質でも価格でもお客様に喜んでいただけるような「適正品質・適正価格」であることが求められています。

「例えば、今の愛車にあと3年乗りたいと考えているお客様は、必要以上に品質が高く、値段も高い部品を求めていません。求められるのは、そのお客様が3年間は必ず安心・快適にクルマに乗っていただける部品の提供です。そういったニーズを的確に吸い上げるためにも、地域に密着し、整備工場などを取り巻く環境や実情、お客様の声を知ることで、よりビジネスチャンスは広がると考えています。」

アイシンでは今後、中国やASEAN、中南米など中古車市場の成長が見込まれるエリアはもちろん、アフリカ、インドなどの市場開拓も視野に入れています。

初の店舗運営で見いだしたものとは?

もう一つ、2022年からアイシンが新たに取り組み出したことがあります。それがカー用品の販売や整備を行う店舗の運営です。オープンエントリー※1という人事制度を利用し、昨年からアイシンが運営※2する「ジェームス小牧南店」に携わっているのは、入社5年目の柴田華世。

「ユーザーに直接話を聞ける仕事をしてみたかった、というのが手を挙げた一番の理由です。アイシンは基本的にBtoBの仕事が多いこともあり、ユーザーの声を直接聞く機会はそれほど多くはありませんでした。しかし今回の運営を始めてユーザーとの接点が増え、新たな気づきを多く得られるようになりました。例えば、商品のパッケージ一つを取ってみても、『もっと選びやすく』などユーザーの声には参考になる点がたくさんあります。こうしたお客様の声や気づきをアフターマーケットの商品化につなげるのは私たちの重要な役目です。」と柴田は話します。

1全社重点テーマについて新規メンバーが必要な場合に社内公募を行い、興味を持った従業員が自らの意思で応募し、選考により異動者を決定する手挙げ式の異動制度。
2 2022年41日に運営母体となる新会社「株式会社アイシン・アフターサービス」を設立の上、「ジェームス小牧南店」を運営。詳しくはこちら

aisin_aftermarket_02.jpg

アフターマーケット 新規事業企画担当 柴田華世

このほか自動車部品メーカーが店舗を運営するベネフィットを活かした動きも見られます。
「例えば『取扱説明書を作る際に、実際に部品を取り付ける整備工場のエンジニアの意見を聞きながら作成したい』という社内開発部署の思いを実現できるなど、ユーザー視点でのスピーディーな商品開発にもつながると感じています。」

また店舗ではクルマ整備するピットメニューを増やし、商品の小売りだけでなくサービスの充実にも力を入れています。
「アイシンのアフターマーケットにとって、サービスの領域まで提供して、単なる『モノ売りからコト売り』へシフトチェンジすることは重要。付加価値のプラスは、差別化にもつながるはずです。」

aisin_aftermarket_03.png

「誰も取り残さない“移動”の自由」の実現へ

事業拡大をめざすアフターマーケットカンパニーを盛り上げるのは、アイシンの挑戦心あふれる“人財”です。さまざまなバックグラウンドを持ったモチベーションの高いメンバーが社内各所から集まり、フロアは活気にあふれています。
「文系、理系など学んだ分野や、社内でも違う部署出身の仲間同士でのミーティングは、思わぬ意見が出たりして楽しいですね。『何でも1回やってみよう、失敗したらそれを学びに』という考え方なので、よりやる気も出ます」と柴田は明るい笑顔を見せます。

アイシンでは今後、さらにアフターマーケットカンパニーの人財を充実させ事業の拡大に備えていく予定です。 藤原は将来への想いを込めてこう話します。
「こうしてアイシンがアフターマーケットを充実させたいと思う根底の理由は、世界中のクルマに乗る人に安全・安心、快適をお届けしたいという強い想いです。自動車を取り巻く環境が良い国の方も、決して良いとは言えない国の方も、安全・安心、快適に移動でき、出掛けた先で心動かす感動体験をしてもらえるようなクルマ社会を実現したい。『誰も取り残さない“移動”の自由』を具現化していきたいですね。」

 

■アイシンのアフターマーケットの取り組みがテレビ愛知で紹介されました
 見逃し配信はこちら↓
 https://www.youtube.com/watch?v=-Iim1DycnRg

アフターマーケット事業 公式ホームページはこちら↓
 http://www.aisinaftermarket.jp/ja/

この記事をシェアする

  • X
  • Facebook
  • linkedin