エネルギー分野

1ペロブスカイト型太陽電池

ペロブスカイト型太陽電池の実用化に向けて、色素増感型太陽電池の色素技術をベースとして、高性能高耐久かつ安価なホール輸送材料の研究開発を行っています。また、大面積化を意識した工法や材料開発も進めています。

ペロブスカイト型太陽電池の原理
ペロブスカイト型太陽電池の原理
ホール輸送材代表例
ホール輸送材代表例

ペロブスカイト型太陽電池は光吸収によって精製した励起子から電荷を分離しホールを輸送するホール輸送層を必要とします。我々は増感色素の半導体としての機能に着目、フタロシアニン色素をベースとした新しいホール輸送材料「STM HT-PcH」を開発し、世界で初めてペロブスカイト型太陽電池に応用しました。

2次世代燃料電池

次世代燃料電池に向けては、A:メタルサポート型SOFC(個体酸化物型燃料電池)、B:プロトン伝導型SOFC、C:有機燃料電池の研究開発を行なっています。

A:メタルサポート型SOFC(固体酸化物型燃料電池)

メタルサポート型SOFC
メタルサポート型SOFC
参考:従来のSOFC(アノード支持型)
参考:従来のSOFC(アノード支持型)

燃料電池のなかで最も高温(通常700~1000℃)で稼働し、単独の発電装置としては最も発電効率が良い(45~65%)SOFC(固体参加物型燃料電池)ですが、以下のような課題があります。
・高温で作動するため、起動停止に時間がかかる
・大きな熱応力がかかるため、耐久性がよくない
私たちは、この課題を解決するために、メタルサポート型のSOFCを開発しています。

B:プロトン伝導型SOFC

プロトン伝導型燃料電池
プロトン伝導型燃料電池
参考:酸素イオン伝導型
参考:酸素イオン伝導型

SOFCには大きく分けて酸素イオン伝導型(O2-)とプロトン伝導型(H+)の2種類が存在していますが、現在実現(販売)されているのは、酸素イオン電導型です。
プロトン伝導型は発電に伴うH2Oの生成が空気極側で起こるため、燃料利用率を高くでき、より高効率が実現できます。
私たちはこのプロトン伝導型燃料電池の研究に取り組んでいます。

C:有機燃料電池

有機燃料電池の原理
有機燃料電池の原理

生物は、摂取した糖類を複雑な酵素反応系を経てCO2になるまで酸化しています。この高効率なエネルギー代謝の仕組みを活用して、ブドウ糖等の糖類を燃料に発電する“バイオ燃料電池”の研究開発を行っています。特徴として、燃えない燃料による発電をめざし、糖分や有機酸の酸化による発電技術を開発しています。

3次世代蓄電池(フッ化物イオン電池)

フッ化物イオン電池の原理
フッ化物イオン電池の原理

現在一般的に利用されるようになった「リチウムイオン電池」ですが、まだまだ材料的、構造的に、安全性・価格・容量に課題があり、世界中でその課題解決にむけた研究が行われています。
私たちは、その課題を解決するため、次世代の蓄電池として期待されている、「フッ化物イオン電池」の研究を行っています。特に、電解質に注目し、私たち独自の電解質を開発することで、大幅な性能向上を目指しています。