INTERVIEW 社員インタビュー

技術職
設計開発
移動への情熱が導いた、
数学科からトランスミッション設計への挑戦
要素技術部
中野 椋太
「トランスミッションのカットモデルを見た瞬間、ロマンを感じた」と話す中野さん。現在はディファレンシャルギア設計を担当し、5名のメンバーを率いるチームリーダーを務めています。世界トップレベルをめざす挑戦の中で得た成功体験、そしてメンバーの意見を大切にするリーダーとしての仕事観に迫ります。
自転車で見つけた移動の楽しさ、数学とプログラミングへの探求心
小学生の頃からずっと夢中になっていたのは自転車でした。高校生の時はクロスバイク、大学生になるとロードバイクに乗っていましたが、スポーツとして速さを競うことよりも、経験を積んでだんだん長い距離を走れるようになることに楽しさを感じていました。これまでクルマで家族と一緒に行ったような場所に、自分の足でたどり着く。そのときの達成感と感動は、今でも鮮明に覚えています。
特に大学3、4年生の頃には、名古屋から新潟まで二泊三日かけて走るような旅もしていました。帰りは新幹線を使うんですけど、行ったことのない未知の場所へ自分の力で移動していくことに、何とも言えない魅力を感じていたんです。とくべつな意味があるわけではないのですが、 "これまで見たことがない場所に行きたい"という思いが強くて。移動すること自体が、私にとって大きな喜びでした。
一方で大学では、理学部 数理学科で数学を学んでいました。線形代数や関数など 一般的な数学を勉強していましたが、4年生になると少し先進的な分野に進み、プログラミング言語をどのように作るのかという理論的なところを学んでいました。正直なところ、数学は学問としてはおもしろいのですが、世の中に直結するものがあまりなくて、実社会との接点が見えにくいんです。その点、プログラミングは現代の情報化社会において、普段使っているものに生かしやすいと感じました。仕事で使うパソコンのソフトも、クルマの中に入っているコンピューターのプログラムも、全部そう。 "数学の理論を学びながらも、それを現実世界でどう生かせるか"という視点を持って取り組むようになっていきました。

マニュアルトランスミッションとの出会い、ものづくりの本質を求めて
大学は名古屋でしたが、就職先は名古屋から地元の浜松にかけての範囲で探していました。数学科という専攻柄、就職先は限られていて、ほぼ全員が「学校の先生になるか、金融やITプログラミング系に進む」というのが一般的なルートでした。でも私は移動が好きだったので、自動車業界という数学科にとっては開拓されていない道に挑戦することにしました。業種も職種もほぼ自動車業界一本に絞って、一社だけ電車系もありましたが、すべて移動に関連する企業でした。
アイシンとの出会いは就活イベントでした。当時マニュアルトランスミッションを作っていたアイシン・エーアイの説明ブースで、トランスミッションのカットモデルが展示されていたんです。ちゃんと動かせるもので、断面も見えるようになっていて。それを見た瞬間、かっこいいというか、ロマンを感じたんですよね。この機械の中にギアがぎちぎちに入っている構造に強く魅力を感じました。 運転の楽しさを生み出している、その根幹の部分を作っているという感覚がすごく良くて、この会社で働きたい!と思うようになりました。
入社の決め手となったのは、アイシンのグループ連携の強さでした。アイシンはグループ会社のつながりが強く、各社が磨き上げた技術力を結集させて一つの製品を生み出しています。そこにはさまざまな知見が集まっているはずだと感じました。そして何より "製造現場が歩いていける距離にある"ことに魅力を感じました。工場で現物を見れば、難しい仕組みも理解できて、タイムリーで高度な設計ができる。素材や作り方を知らずに良いものができるとは思えなかったですし、現場に任せきりにするのではなく、もっと深いところまで話し合えて "技術を手の内化できる体制"がある。このような技術的な裏付けを持った環境こそが、本当のものづくりができる場所だと思ったんです。それが私の決断を後押ししてくれました。

デフ設計のチームリーダーとして、若手の挑戦を支えながら世界トップをめざす
現在は『ディファレンシャルギア』という部品の設計をしています。クルマがコーナーを曲がる時に左右のタイヤで移動距離が異なりますよね。カーブの外側の車輪は内側の車輪と比較すると移動距離が長くなり、左右の車輪に速度差が発生してしまいます。この左右の回転数の調整を担うのが『デフ』というパーツです。これがないとクルマは曲がれません。そんな重要な部品の設計に携わっています。
職場では、6、7年目以下の若手メンバー5人で構成されているチームのリーダーを務めています。ポリシーというほどでもないのですが、できるだけメンバーの意見を否定せずに、提案してくれたプランを採用して進めていきたいと考えています。私のチームにはチャレンジングで想いが強い人が多いので、そこをなるべく伸ばしてあげたいんです。意見をあまり聞かないまま否定してしまうと、そこで思考が止まってしまうこともあるはず。良いところを伸ばしていくのが自分のやり方と捉えているので、そのためのアドバイスを惜しみなくやっているという感じです。
印象に残っているエピソードがあります。私が8年目の時に担当した製品で、量産前の試作品において、強度目標が達成できない部品がありました。そこでアイシンとして新しい工法を考えて、強度を上げて量産までこぎつけたんですが、破損してしまって。原因もまったく分からないところから、いろいろと水準を変えて試験して、情報を取ってということを地道に繰り返しながら要因解析していき、メカニズムを解明した上で解決することができました。このように壁にぶつかりながらも、世界トップレベルをめざすために周囲の協力を得ながら解決できたことが、今の自分の糧になっていると感じています。

技術の手の内化を通じて、チームの未来を切り拓く
今後めざしているのは、今はまだ手の内化できていない技術をしっかりと自分たちのものにしていって、根本的な問題解決ができる体制を作ることです。そのために、標準化に力を入れようと考えています。技術の手の内化や標準化が実現できれば、個人の経験や勘に頼っていた部分が明確なデータと法則性に基づいたものになります。それによって、誰もが同じレベルで問題解決に取り組める環境が整い、チーム全体の技術力の底上げにつながると考えています。また、若手の育成スピードも加速し、組織全体としての競争力が高まるはずです。多様な知見を持つ社内メンバーを巻き込みながら、この条件の時はこういう結果になる というデータを集めていって、そこから法則性を見出していくという取り組みを進めていく予定です。

皆さんへのメッセージ
現在就職活動をされている皆さんには、ぜひアイシンの魅力を知っていただきたいと思います。一つめは、アイシンはモチベーションが高い人が多い組織だということ。 "いいものを作る"ということに対して、かなり前向きな人が多く、難しいことでもやっていきたいという気持ちが強い。そういう熱意のある人にとっては、本当に仕事しやすい環境が整っています。
もう一つは、難しい課題に直面した時に、担当者だけではなく、部内外含め 一丸となって解決していくという風土です。あらゆる知見を持ったプロたちが同じ方向を向いて、全力で仕事をしていって、いいものを作っていく。その一体感は何物にも代えがたいものがあります。自分ひとりだとつらいかもしれませんが、周りも同じ目線でいてくれるというのは、かなりモチベーションにつながると思います。
これからアイシンで働くことを検討している方には、ぜひ熱意を持ってチャレンジしてほしいと思います。この環境なら、きっとあなたの成長を後押ししてくれるはずです。