DXへの取り組み
デジタル技術の社会的影響
今、自動車業界は100年に一度といわれる大変革期を迎え、CASE時代に向けた動きが活発化するとともに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が急務となっています。こうした時代環境を背景に、私たちの強みであるCAE解析とモデルベース開発技術は、さらに重要性が高まっていくものと考えています。
人工知能、クラウド、バーチャルリアリティなどの「デジタル技術」と、実験評価、市場環境、製造工程などから取得した「ビッグデータ」を高度に融合させることで、進化したデジタル解析結果を迅速にお届けします。そして企画から設計、生産、市場までの幅広い領域において、お客様の期待を超える新たなサービスと付加価値の創出に努めていきます。
2030年ビジョン
変革の3本柱
2030年ビジョンに向け企業構造の変革を確実に実現するため、3つの柱を重点取り組みとして活動
DX推進戦略
お客様の「開発プロセスDX」
今まで培ってきたCAE解析技術に、データ活用・AI(機械学習)などの新開発技術を融合し、プロセス革新に貢献します。
◉設計の初期段階から利用可能なCAE解析に、データ活用・AI技術を組み込むことにより、解析の高速化・精度向上でモデルベース開発を進化させ、お客様の②製品設計プロセスの期間短縮を実現する。
◉これまで行われてきた直列の製品開発プロセス(①商品企画 ②製品設計 ③工程設計
④量産準備
⑤量産)では独立したCAE解析となっていたが、共通化されたCAE解析プラットホームを提供することにより、②製品設計・③工程設計の同時進行を可能とし、開発期間の大幅な短縮に貢献する。
※モデルベース開発とは・・・コンピュータ上で再現した3Dモデルをもとに、シミュレーションによる検証を行いながら開発を進める手法
開発プロセスイメージ図
我々の「リソーセスマネージメントDX」
データドリブン経営を実現するため、経営判断に必要となる情報のデジタル化・システムの連携・データの可視化・データ活用を実施していきます。
◉経理・人事業務での、紙媒体管理や個別Excelファイル管理を解消するため、情報のデジタル化とマスタ管理を行い、最新情報のリアルタイム共有とプロセスの最適化を図っていく。
◉クラウドサービスとオンプレミスの情報を連携し、自働化技術の活用とクラウドダッシュボードでのデータ集計・分析情報を共有することにより、経営・業務判断のスピードアップを図っていく。
環境整備の方策
お客様の「開発プロセスDX」
◉AI技術の開発においては拡張性や柔軟性の高い環境が必要となるため、クラウドを中心とした開発環境の整備を行う。
◉各種設計を同時進行できるようにするため、クラウド上に共通CAE解析環境を構築する。
我々の「リソーセスマネージメントDX」
◉情報のデジタル化とマスタ管理を実現するため、オンプレミス環境からクラウド環境へ移行する。
◉人が行っていた集計業務や繰り返しとなる情報登録作業などを自働化・効率化するために、RPA技術の導入やクラウドダッシュボードを整備する。
DX推進体制
組織の壁を越え全社規模でDX推進を実現するため効果的な推進体制を構築
担当取締役を執行責任者としたDX推進体制を整備し、”お客様の「開発プロセスDX」”を担う『製品設計DX』・『工程設計DX』、”我々の「リソーセスマネージメントDX」”を担う『経営資源管理DX』と領域分けしています。各領域の担当リーダを中心に、DX人材と業務キーマンを含めたチームでDXを進めています。
DX人材育成
DXに必要となる人材類型を定義し、社内教育と外部教育を活用し育成
全社員がデジタル技術を身につけ自分事と捉えて業務改善を進めていくために、社内およびグループ会社の教育コンテンツを活用し、DXリテラシーの底上げを行っています。また『お客様』と『我々』のDXを進めていくには、より高度なスキル・知識を身につけたDX人材が必要となるため、4つの人材類型の定義と専用カリキュラムを用意し、育成を進めています。
人材育成体系図
DX推進指標
◉開発期間の短縮に貢献する新技術導入件数
◉RPAなど自動化技術による業務工数の削減時間
◉社内テストによるDXリテラシー底上げ合格者数
DXで従業員と顧客の幸せを
当社は2022年4月「アイシン・デジタルエンジニアリング」に社名を変更し、新たな一歩を踏み出しました。
社名に”デジタルエンジニアリング”とあるように、
データを活用した新技術への取り組み
クラウドを利用したレガシーの脱却
業務のナレッジ化
など、デジタル技術を活用し、業務の高度化/ビジネスの変革を推進することにより、従業員の幸せと顧客の幸せをかなえていきます。
全員が日々進化をし続けてまいりますので、ご期待ください。
取締役社長 上田 幸男