コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

企業価値の最大化に向けて、すべてのステークホルダーと良好な関係を築き、長期安定的に成長し、発展していくことをめざしています。その実現には、国際社会から信頼される企業市民として、公正で透明性の高い経営活動を展開することが重要であると考えており、「コーポレート・ガバナンスの基本方針」に基づき、コーポレート・ガバナンスを実践しています。また、事業・経営環境の変化などを踏まえ、継続的な実効性の検証、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めています。

基本方針

  1. 株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに、適切な権利行使に係る環境整備や権利保護に努めます。
  2. 株主以外のステークホルダー(お客様、仕入先、従業員、地域社会等)と、社会良識をもった誠実な協働に努めます。
  3. 法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報も主体的に発信し、透明性の確保に努めます。
  4. 透明・公正かつ機動的な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努めます。
  5. 株主とは、当社の長期安定的な成長の方向性を共有した上で、建設的な対話に努めます。

コーポレート・ガバナンス体制の変遷

(年度)

  2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
役員の人数(人) 51 53 50 51 50 32 29 31
取締役の人数(人) 13 14 13 14 14 9 9 9
 うち社外取締役(人) 2 2 3 3 3 3 3 4
 うち女性(人) - - 1 1 1 1 1 1
監査役の人数(人) 5 5 5 5 5 5 5 4
 うち社外監査役(人) 3 3 3 3 3 3 3 2
 うち女性(人) - - - - - - - 2
コーポレート・ガバナンス
基本方針
 
2015年6月
・策定
経営と執行の分離
2005年6月
・意思決定の迅速化を図るため取締役会をスリム化するとともに、業務執行の強化・スピードアップを図るため執行役員を新設
2012年4月
・機動的な体制変更を可能とするため執行役員選任時期を事業年度が始まる4月に変更
2014年6月
・「社外取締役」を登用
 
2016年1月
・役員人事審議会を設置
 
2016年3月
・報酬審議会を設置
 
2019年6月
・取締役の選任数を削減
 
2020年4月
・執行役員異動時の機動的な体制変更を可能にするため社長執行役員を新設
実効性の向上  
2015年3月
・社外取締役・社外監査役と経営トップ・監査役との懇談会
・取締役会の実効性について、社外取締役と社外監査役にヒアリング調査を実施
 
2019年6月
・取締役報酬の改定 ①総額枠の見直し ②株式報酬制度の導入

コーポレート・ガバナンス体制

アイシンは監査役制度を採用しており、取締役会による経営監督の強化、執行役員制度による経営執行の効率化を図っています。また、的確・迅速・公正な意思決定を一層促進するため、2019年6月より独立社外取締役が3分の1以上を占める経営体制としています。取締役・執行役員の指名・報酬については、独立社外取締役が過半数を占める役員人事審議会および報酬審議会において検討・審議し、取締役会に上程することで、独立性や客観性を高めています。

コーポレート・ガバナンス体制
コーポレート・ガバナンス体制

1取締役会

アイシンおよびアイシングループの経営に関わる重要事項の決議、業務執行の監督にあたっています。

開催回数 15回/年

2監査役会

取締役の職務執行を監査するとともに、各部門の業務執行状況を聴取し、経営や業務執行が適正なものであるかどうかを検証しています。

開催回数 14回/年

3役員人事審議会

役員制度・体制に関する基本方針を検討・策定しています。また、基本方針に基づき、取締役会に上程する取締役・監査役の選解任案を審議しています。

開催回数 3回/年

4報酬審議会

報酬制度や報酬決定に関する基本方針を検討・策定しています。また、基本方針に基づき、報酬体系や役職ごとの支給水準および個人別報酬額を審議しています。

開催回数 3回/年

※開催回数は2020年度実績

コーポレート・ガバナンス向上への取り組み

2020年4月1日より、執行役員異動時の機動的な体制変更を可能にするために、執行役員制度に社長執行役員を新設しました。また、2020年6月16日の株主総会にて定款一部変更の件が承認可決され、当社執行役員からも社長を選定できるものとし、役員体制における意思決定と業務執行の役割の明確化のため、取締役副社長の役職を廃止するなどコーポレート・ガバナンスのさらなる強化に向けた見直しを行いました。

取締役会、監査役会、役員人事審議会、報酬審議会出席メンバー

(◎ 議長 〇 出席メンバー)

取締役会 監査役会 役員人事審議会 報酬審議会
取締役 取締役会長 豊田 幹司郎      
取締役副会長 伊勢 清貴      
取締役社長 吉田 守孝  
取締役 鈴木 研司      
取締役 伊藤 慎太郎  
取締役 原口 恒和
社外独立
 
取締役 濵田 道代
社外独立女性
 
取締役 新 誠一
社外独立
 
取締役 小林 耕士
社外
     
監査役 常勤監査役 三矢 誠    
常勤監査役 加藤 清美
女性
   
監査役 髙須 光
社外独立
   
監査役 上田 純子
社外独立女性
   

社外役員比率

取締役会
取締役会
監査役会
監査役会
役員人事審議会
役員人事審議会
報酬審議会
報酬審議会

取締役会での主な報告・議案件数

(2020年7月〜2021年6月)

  議案 報告 合計 割合
経営戦略・サステナビリティ・ガバナンス関連 15 4 19 23%
決算・配当・財務関連 13 2 15 18%
内部統制・リスクマネジメント・コンプラ関連 1 2 3 4%
人事・指名・報酬 27 1 28 35%
個別案件 2 14 16 20%
合計 58 23 81 100%

取締役・監査役

取締役会の活性化に向けた取り組み

当社取締役会は、各取締役が自らの知見・経験等を発揮し、経営活動に活かしていくことが重要と考え、社外取締役を含め活発な議論が行われるよう努めています。

経営の監督と執行の分離

  • 経営体制のスリム化
  • 多様性および知識・経験・能力のバランス確保

十分な審議時間の確保

  • 取締役会付議基準等の見直し
  • 社外取締役への議案等の事前説明
  • 取締役会開催の年間スケジュール化

情報共有・連携体制強化

  • 経営会議など重要会議等の審議内容の共有
  • 意見交換会、懇談会、研修会等の開催
  • 社外役員による国内外子会社等の視察

社外役員との情報共有

当社では、社外取締役・社外監査役が独立した客観的な立場から役割・責務を実効的に果たしていただくことが当社経営において重要と考えており、取締役会等で有意義な議論ができるよう、社外取締役には、毎月定例で経営トップ・監査役との懇談会を設定しています。

社外取締役・社外監査役の会社事業や機能等の理解促進に向けて、工場、テストコース、関連会社の視察や、各カンパニー・本部・部門の担当役員・部長との懇談の場を設け、情報交換・認識共有が図れるよう努めています。

また、社外取締役・社外監査役が必要とする情報を的確に提供するため、社外取締役・社外監査役との連絡・調整にあたる特定のスタッフを総合企画部、監査役室等に配置しています。

監査役

監査役4名(常勤監査役2名、社外監査役2名)は、監査役会で策定された監査方針および監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、取締役・部門からの聴取、国内外子会社への往査などを通じて、取締役の職務執行や当社および子会社の業務執行の適法性や財務報告の信頼性について監査を行っています。

選任にあたっては、視点の多様性を考慮し、半数に女性監査役を選任しています。

監査役会においては、内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の監査の方法および結果の相当性、定時株主総会への付議議案内容等につき審議しています。

また、内部監査部門・会計監査人と随時意思疎通および情報交換を実施しています。

取締役・監査役の選解任に関する方針と手続き

当社の取締役会は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、的確・迅速・公正な意思決定が行われるよう、業界の内外を問わず高度な専門性を有する人材を社外取締役として複数選任すること、グループ経営を念頭に置き、国内外子会社での豊富な経験と幅広い見識を有する人材を取締役に選任することなどを総合的に勘案し、知識・経験・能力のバランスが最適になるよう取締役の選解任を決定しています。

指名および選解任にあたっての手続きとしては、独立社外取締役が過半数を占める「役員人事審議会」での検討・審議を経て、取締役・監査役候補者として選出しています。取締役については取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議した上で決定しています。また、監査役については取締役会での内定の決議を踏まえ、監査役の合意を経て、株主総会で審議した上で決定しています。

取締役・監査役の専門性および経験

  企業経営 業界の知見 技術開発 生産技術・製造 DX 営業・調達 財務・会計 法務・CSR 海外経験
取締役会長
豊田 幹司郎
         
取締役副会長
伊勢 清貴
         
取締役社長
吉田 守孝
         
取締役
鈴木 研司
       
取締役
伊藤 慎太郎
       
取締役
原口 恒和
             
取締役
濵田 道代
             
取締役
新 誠一
           
取締役
小林 耕士
       
常勤監査役
三矢 誠
       
常勤監査役
加藤 清美
           
監査役
髙須 光
               
監査役
上田 純子
             

取締役会の実効性評価

当社は、複数の社外取締役を取締役会のメンバーに加えることにより、取締役会としての判断や会議運営など、取締役会全体の実効性を担保していくよう努めています。取締役会全体の実効性については、すべての社外取締役と社外監査役にヒアリング調査を実施し、その結果に基づき、改善に努めています。

2020年度の評価・課題

2020年度末に実施したヒアリング調査においては、当社取締役会は「全体として実効性は向上している」という評価をいただきました。肯定的な項目として、「最重要案件の審議の場となっている」「活発な意見交換ができている」「支援体制は十分である」等が挙げられました。一方で、昨年度「現場視察のより一層の充実」等を掲げたものの、コロナ禍によりリモートでの会議が中心となり、十分な対面での議論や現場視察が実施できませんでした。

改善策・今後の取り組み

課題として挙げられた項目に関しては、今後、新型コロナウイルス感染症の終息状況を見ながら「対面での議論の場の拡充」や「現場視察の継続的な設定」、「戦略やリスク、ガバナンス、経営統合後の重要課題等に関する意見交換のさらなる充実」等、改善を進めてまいります。

独立社外取締役の判断基準および資質

当社は、以下の役割・責務を果たすことを期待し、独立社外取締役を選任しています。

  • 経営陣から独立した立場で、取締役会等での重要な意思決定の場において、リスクへの警鐘や助言を提供することで、当社の経営を監督する。
  • これまでの経歴で培われた専門的な知識・幅広い経験等を当社の経営に活かす。
  • 会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督する。
  • 社外の声を取締役会に適切に反映する。なお、社外取締役の候補者選定にあたっては、会社法および東京証券取引所の独立性に関する要件に加え、当社の経営に対し率直かつ建設的に助言し監督できる高い専門性と豊富な経験を重視しています。

役員報酬

役員報酬の基本的な考え方

当社の役員報酬制度は、以下の考え方に基づいて設計しています。

  • 当社グループの経営理念および経営方針の実現に向けた取り組みの動機付けとなる報酬内容とする。
  • 各々の役員が担う職責・成果等を反映する。
  • 当社グループの経営環境や短期・中長期の業績状況を反映し、企業価値の向上や株主と同じ目線に立った経営の推進に繋がる報酬体系とする。

役員報酬構成

取締役(社外取締役を除く)の報酬は、業務執行を担う役割のため、固定報酬である月額報酬、業績に連動する賞与および株式報酬の報酬構成としています。

なお、社外取締役および監査役の報酬は、独立した立場で経営に対する監督や助言あるいは業務執行を監査する役割を担うことから月額報酬のみとし、賞与および株式報酬の支給はありません。

取締役および監査役の報酬等の体系と構成

報酬の種類 取締役
(社外取締役除く)
社外取締役 監査役 支給方針
固定報酬 月額報酬 50% 100% 100%
・取締役については職責、経験および他社の動向を、監査役については職責および他社の動向を反映させた報酬としています。
・月額報酬は在任期間中、毎月定期的に支給します。
業績連動報酬 賞与 35%
・各事業年度の業務執行の成果としての連結営業利益額をベースとし、配当、従業員の賞与水準、他社の動向および過去の支給実績などを総合的に勘案の上、決定しています。
なお、2021年3月期賞与は、連結営業利益額1,453億円(実績)をベースに決定しています。
・個人別の支給額は、各事業年度の会社業績に加え、各役員の業務遂行の状況を踏まえて決定します。
・賞与については、各事業年度の定時株主総会後、毎年1回支給します。
株式報酬 15%
・株主とのさらなる価値共有を進め、企業価値の持続的な向上を図るためのインセンティブとして、譲渡制限付株式報酬を支給しています。
・対象取締役の株式報酬額は、職責等を踏まえて決定します。
・株式報酬については、各事業年度の定時株主総会後、毎年1回支給します。
・制度詳細については、有価証券報告書P.45を参照ください。

役員報酬の決定方法

当社の取締役会は、会社の経営や執行状況に即した制度運用を実現し、機動的に報酬額を決定するために、当社取締役の役職ごとの基準水準の決定、個人別の報酬等に反映する個人別査定および個人別報酬額を決定する権限を取締役会長、取締役副会長、取締役社長および人事管掌副社長に委任しています。

委任された権限が適切に行使されるための措置として、役員報酬については、独立社外取締役が過半数を占める報酬審議会において検討・審議した上、取締役会に上程します。

報酬審議会は、取締役社長を議長として、人事管掌副社長および独立社外取締役3名により構成され、報酬審議会では、適切な役員報酬が支払われるよう報酬体系、決定方針や方法等とともに、役職ごとの支給水準および個人別報酬額を審議します。

取締役の役職別総報酬については、水準の客観性や妥当性検証のため、毎年、外部調査機関の役員報酬調査における当社と規模、業種や業態等の類似する製造業の水準を参考にして決定します。

委任を受けた取締役は、報酬審議会での承認事項を踏まえて取締役の個人別の報酬額を決定し、報酬審議会での承認内容と異なる決定をする場合には、事前の報酬審議会への説明を要するものとします。

その上で、取締役会は、株主総会の決議によって定められた報酬総額の範囲内において、取締役の報酬額を決定します。

また、各監査役の月額報酬額は、株主総会の決議によって定められた報酬の範囲内において、監査役の協議により決定しています。

取締役および監査役の報酬等の額

区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる役員の員数
(人)
固定報酬 業績連動報酬 株式報酬
月額報酬 賞与
取締役(うち社外取締役) 440(43) 276(43) 119(-) 45(-) 9(3)
監査役(うち社外監査役) 139(36) 139(36) -(-) -(-) 5(3)
579 415 119 45 14
  • 賞与は、2021年4月28日開催の取締役会決議の金額を計上しています。
  • 株式報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対し交付した譲渡制限付株式に関し、当事業年度に費用化された金額を計上しています。
  • 取締役の月額報酬および賞与の報酬総額は、2019年6月18日開催の第96回定時株主総会にて、年額6億円以内(うち社外取締役分 年額75百万円以内)と決議されています。
  • 社外取締役を除く取締役の株式報酬の報酬総額は、2019年6月18日開催の第96回定時株主総会にて、年額1億円以内と決議されています。
  • 監査役の月額報酬は、2010年6月23日開催の第87回定時株主総会にて、月額15百万円以内と決議されています。

保有株式

政策保有株式の保有に関する基本方針

当社が行う自動車部品事業およびエナジーソリューション関連事業において、激しい競争を勝ち抜き、今後も成長を続けていくためには、開発・調達・生産・物流・販売のすべての過程において、様々な企業との協力関係が不可欠であると考えています。このため、当社は、当社が行う事業において、中長期的な視点で企業価値を維持・向上させると判断した必要最低限の株式を保有することを基本方針としています。

保有適否の検証方法

当社は、必要に応じて、保有先の企業と企業価値の維持・向上や持続的成長を促す観点からの建設的な対話を行い、経営上の課題の共有や問題の改善に繋げています。保有の合理性の検証として、保有先の財政状態および経営成績等の状況について定期的なモニタリングを実施するとともに、毎年の取締役会で定量評価(配当利回りや過去3年平均のROEが当社の加重平均コスト(5.6%)を超えているか)および定性評価(事業面の取引状況や今後の事業連携等)から保有意義を精査し、保有の適否を判断しています。なお、当事業年度は2020年5月の取締役会において検証しています。

議決権行使の基準

当社は、議決権の行使は、定型的・短期的な基準で画一的に賛否を判断するのではなく、当該投資先企業の経営方針・戦略等を十分尊重した上で、中長期的な視点での企業価値および株主還元の 維持・向上に繋がるかどうか等の視点に立って判断を行います。

議決権行使にあたっては、投資先企業において当該企業の発展と株主の利益を重視した経営が行われているか等に着目し、議案ごとに確認を行います。また、社内ルールに基づき個別に精査した上で、当該企業との対話等の結果を勘案し、議案への賛否を判断します。

保有株式縮減の取り組み

保有株式について、保有意義が薄れた銘柄については対象企業との対話を通じて継続的に縮減を進めています。

保有株式縮減の取り組み

保有株式の状況(当事業年度末)

  銘柄
貸借対照表計上額
(2021年3月31日)
2020年度に株式数が
増加した銘柄
2020年度に株式数が
減少した銘柄
非上場株式 48銘柄
17,493百万円
1銘柄
499百万円
3銘柄
1,800百万円
非上場株式
以外の株式
25銘柄
182,171百万円
1銘柄
750百万円
-

※株式数が増加した銘柄の増加理由は、アイシンの中長期的な企業価値の維持・向上のために必要な株式を取得したことによります。

コーポレートガバナンス・コードへの対応

当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則全てを実施しており、株式会社東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンス報告書に詳細を記載しています。
当社のコーポレートガバナンス報告書の日本語版については、下記をご覧ください。

コーポレートガバナンス報告書はこちら(2022年6月20日時点の内容です)