エコトピアニュース2015年

海へ帰る途中に寄りました 〜モクズガニって何だろう〜

[ 2015年12月21日 ]

季節はようやく冬らしくなり、海沿いのエコトープは風の強さも加わり寒さが増しています。
冬本番の冷たい池の中に、たくさんの訪問者が来てくれたので紹介します。

モクズガニ
今までも何度か確認していた「モクズガニ」ですが、今回は個体数が多いのです。

今年初めて確認したのは9月頃ですが、寒くなるにつれて池で発見する数は増加し現在までに25匹程エコトープを訪れています。
「モクズガニ」と聞いて、ピン!と来ますか?

無知なのもあり、私は名前を聞いても頭の上が「???」となりました。それに加え、今の今まで「モクズ」を「モズク」と勘違いしていました。

エコトープで確認したモクズガニは体の部分が約7〜8cmで、中には足先に毛が生えている子もいました。
(地域によっては「毛ガニ」とよばれるそうです。)

足先の毛

しかし何故、本来川で生息するモクズガニがエコトープの池を訪れたのでしょうか。

モクズガニは秋から冬にかけて繁殖のため海へ下ります。そのため、海に帰る途中にエコトープに寄ったようです。また、幼生の頃は塩分濃度の高い海でないと成長できないため、一生の間に海と川を行き来して過ごします。
食したことがあるという方も多い、上海ガニとして有名な「チュウゴクモクズガニ」と「モクズガニ」は非常に近縁で、外見や味も似通っています。
ただし、注意しなけらばいけないのは、食す時には、寄生虫の危険があるためよく火を通すことです。

昔は日本中の川で見かけるカニでしたが、河川開発や、農薬の影響で激減しています。
こんなに多くのモクズガニをエコトープで見られることは、とても貴重なことかもしれません。

海での産卵を終え、川へ戻りまた来年の今頃モクズガニに会えるのが今から楽しみです。