[ 2015年10月30日 ]
昨年度から実施している「カワバタモロコプロジェクト」※1 の現在の様子をお伝えします。 今年の5月27日に再放流した県内の絶滅危惧種であるカワバタモロコ99匹。 今回は、この時放流された個体の生息確認と繁殖確認を目的として、モニタリング調査を実施しました。(9月14日) |
調査方法は、池内にエサの入ったセルビン(右の掲載写真参照)5個を設置し、30分〜50分間放置した後に回収。 この作業を3回繰り返し、捕獲された魚類の確認を行った。 |
ランダムで選んだカワバタモロコ |
調査の結果、捕獲されたカワバタモロコは計71匹でした。 その中からランダムに選んだ10匹の体長を計測したところ、 30mm以上が4匹、30mm未満が6匹でした。 春に放流した固体は約40mmであることから、4匹は放流固体、6匹は今年孵化した固体と考えられます。 |
春の放流が99匹に対し、今回71匹という調査結果でしたが、 捕獲漏れの固体が少なからず存在すること、今年繁殖した固体が多く捕獲されたことから考えると、生息・繁殖の状況は良好であったと考えられます。 |
今年孵化したカワバタモロコ |
繁殖が成功するか、ドキドキしていたので、良好だという専門家の見解を聞き安心しました。
今後もモニタリング調査を継続し、生息・繁殖状況の推移を注意深く見守るとともに、減少の要因となりうる事項への対応を継続的に実施していきたいと考えています。
※1…カワバタモロコプロジェクトとは、碧南海浜水族館の指導・協力によるもので、水族館がこの系統を現状のまま維持するために飼育している個体の一部を危険分散措置の一環として本ビオトープに受け入れたもの。