エコトピアニュース2018年

エコトピア冬季生態系調査結果

[ 2018年3月29日 ]


センサーカメラ
エコトープでの冬季生態系調査結果についてお伝えします。
寒くなると、昆虫、水生生物は活動を停止してしまうため、今回は哺乳類、鳥類の主な種を調査。
(なお、哺乳類、鳥類以外の動物についても、調査中に確認された種については記録。)
主な調査方法は目視で、その他には5日間センサーカメラを設置し生息種の確認をしました。

本調査により、26種の動物の生息が確認された。
分類群別の内訳は、哺乳類1種、鳥類17種、魚類4種、昆虫類1種、底生動物2種であった。
センサーカメラでは、哺乳類のタヌキ、鳥類のキジバト、ムクドリ、ハシボソガラスが撮影されました。

哺乳類では、タヌキの生息が確認された。
タヌキの生息地は、4年前の工場拡張工事に伴いほぼ消失したため、
一時センサーカメラでのタヌキの撮影頻度は以前に比べ減少したが、今回の調査ではほぼ毎日撮影されました。

タヌキ

エコトープ南東にわずかに残った草原の中に「けもの道」が、農地には足跡、「ため糞」が3箇所で見られた。
これらの個体は、わずかに残った草原に生息している個体か、工場外の近隣緑地などに生息する個体が徘徊してきた可能性があります。


タヌキのため糞

タヌキの足跡

タヌキの獣道

鳥類では、水辺の動物や水生植物などを餌とするカワウ、コサギ、アオサギ、カワセミなどが見られた。また、草地や農地では、昆虫などの小動物や樹木の実などを餌とするキジバト、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラスなどが見られました。


ムクドリ

メジロ

鳥類調査の様子

森に生育するエノキの下の落葉からは、ゴマダラチョウの越冬幼虫が確認された。
ゴマダラチョウは、地域によっては絶滅危惧種に指定されている蝶で、毎年春になると綺麗な姿で舞う姿が見られます。


ゴマダラチョウの幼虫

ゴマダラチョウ

なお、2018年1月以降エコトープの改修工事が行われ、環境が大きく変わるとともにエコトープ隣接地の草地が消失する予定であることから、今後も継続して生態系調査を実施し、生物の住みよい環境が失われないよう配慮していきます。