水島 寿之

水島 寿之

#ビジョン

アイシンの未来を語る2050年カーボンニュートラル
実現に向けて、全社で挑む。

interview

地球温暖化対策の新しい枠組みとして合意された「パリ協定」を契機に、環境課題への関心がますます高まっている。菅首相の所信表明演説で「2050年に温室効果ガス排出ゼロ」が宣言されたことも記憶に新しい。
そのような時代背景の中、アイシンは2021年4月に『私たちは、“移動”に自由と喜びを、未来地球に美しさを運び続けます。』という新たな経営理念を掲げている。
持続可能な環境を未来につなぐためにアイシンがどのようなビジョンを描き、これから何を進めていくのかを、環境施策を牽引する水島副社長に訊いた。

Index

  • 1. 地球環境に対するアイシンの使命
  • 2. 2050年カーボンニュートラル達成に向けて
  • 3. カーボンニュートラルをビジネスチャンスに

水島 寿之

取締役・副社長執行役員 水島 寿之

SECTION.1

地球環境に対するアイシンの使命

将来にわたって人間らしく
生きられる地球を残すために。

アイシンでは、「脱炭素社会・自然共生社会・循環型社会・基盤活動」の構築を軸に、これまでも環境への取り組みを重ねてきた。生産面では、ものづくりのプロセス短縮に取り組み、太陽光パネルなど再生エネルギーの導入も推進。製品面では、製造時だけでなく製品の使用時や廃棄時にかかるCO2排出の低減をめざして、eAxle(イーアクスル)などの電動化製品や、エネファームなどのクリーンエネルギー関連製品の開発・販売を手がけてきた。

また、アイシンが掲げる新たな経営理念にも、地球環境に対する強い意志がこめられている。
「気候変動への対応は重要な局面を迎えています。地球温暖化にともなう海面上昇や集中豪雨から子どもたちを守り、人類が将来にわたって“人間らしく生きられる地球を残す”という使命感を持って活動を行なっています。」と水島副社長は語る。

さらに、経営理念にある『未来地球に美しさを運び続けます。』という言葉にもこだわりが垣間見える。
「環境への取り組みは、改善と同じで終わりがありません。実施するだけではなく、それを続けることがものすごく大事なのです。」水島副社長は真剣な眼差しでそう語った。

SECTION.2

2050年カーボンニュートラル
達成に向けて

ビジネス環境の変革を受け入れ、
グループ全体で取り組みを加速する。

カーボンニュートラルとは、ライフサイクル全体でのCO2の排出量から吸収量と除去量を差し引いてプラスマイナスゼロの状態になることを意味する。アイシンでは、環境面でのビジョンとして2050年にカーボンニュートラル実現をめざすことを宣言。マイルストーンとして2030年度の目標が示され、生産面・製品面それぞれに具体的な数値目標が設定された。その達成に向けたシナリオを、これから事業ごとに構築していく。

カーボンニュートラル実現に向けた新たな組織体として、2020年3月に「エネルギー戦略会議」が新設された。2021年4月からは「カーボンニュートラル戦略会議」に改称され、より実践的な取り組みを行っていく。
「私たちの仕事は、200社以上のアイシングループが関係しあっています。各社が個別に行ってきた取り組みを全社の会議体にすることで、活動内容がガラッと変わると期待しています。」

カーボンニュートラル達成に向け、商品の生産CO2フリー化も進めている。生産CO2フリーとは、製造時に排出されるCO2を実質的にゼロにする取り組みだ。技術革新によって工程プロセスをできるかぎり短くすることで、排出されるCO2を削減。さらにメタネーションなどによる分離・回収・再利用や水素活用・再生エネルギーの導入によってCO2の排出実質ゼロをめざしている。

アイシンでは、電動ユニットにおいて「CO2フリー商品第1号」を2021年から生産開始し、そこから10年以内に全電動化商品の生産CO2フリー化を達成する予定だ。
「欧州ではすでに、生産CO2フリー化が受注の前提条件になりつつあります。私たちのビジネス環境にも大きな変革が迫っています。」変化を受け入れ、いち早く対応しなければ取り残されてしまうと水島副社長は警戒感をにじませる。

SECTION.3

カーボンニュートラルを
ビジネスチャンスに

技術と意識の向上で、
リスクをチャンスに変えていく。

水島副社長によると、自動車業界が“100年に1度の変革期”と言われる要因として「デジタル化」「電動化」に加えて「地球温暖化の1.5度シナリオ」があるという。1.5度シナリオとは、パリ協定で示された産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えた場合の環境予測。
「従来、グローバルで認識されていた2度シナリオでは地球環境を維持することが難しいということがわかってきました。2度シナリオよりさらに気温上昇を抑える、1.5度シナリオになると私たちが取り組むべき水準が桁違いに上がります。」と水島副社長は語る。

ビジネスの守備範囲が広く、金属を溶かす鋳造工程も含まれるアイシングループでは、コークス(石炭が原料の固体)を用いた溶解炉を電気炉に変え、生産過程で排出される熱の再利用なども検討する必要性がある。カーボンニュートラルの実現には莫大なコストがかかるのだ。
その一方で「カーボンニュートラルの実現はチャンスでもあるのです。」と水島副社長は語気を強める。
「革新的な技術を生み出してコストを劇的に下げれば競争力につながりますし、その技術を世の中に広めることで新たなビジネスチャンスが生まれます。」

SDGs※やカーボンニュートラルの実現には、アイシンで働く従業員一人ひとりの意識向上も必須だ。
実現のためには、200社以上のアイシングループすべての従業員が共通の理解、目的をもってビジネス活動におけるカーボンニュートラルのプライオリティーを高めることが重要です。未来地球に美しさを運び続けるため、必ず実現していきます。」と水島副社長は語る。


※SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)

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